
2失点はしたものの、苦しい時間帯をしのぎ切った柏。初のアジア制覇へまた一歩近付いた
アウェイゴール差で2年ぶりのベスト8へ
試合に負けたが、勝負には勝った。柏が水原三星とのACLラウンド16第1戦(3○2)で得た得失点差は『+1』。ただし敵地で3ゴールを決めているため、勝ちや引き分けはもちろん、0-1、1-2の敗戦でも勝ち上がりは可能だった。
とはいえこの第2戦は柏にとってもどかしい、苦しい展開だった。「自分と(小林)祐介のところに相手のボランチが常にプレスを掛けに来ていた」(大谷)という水原の守備に対して、柏は次の手がなかなか打てず、狙いどおりにボールを動かせない。「3-2というスコアは、ピッチに立ってみると、予想以上に重たいモノ」(吉田監督)という心持ちが、選手のリズムを奪った部分もあるだろう。
水原は26分にチョン・テセが個人技からゴールを決めて先制に成功。その後は一進一退の流れだったが、54分にもク・ジャリョンがCKのこぼれ球を押し込んで2点目を奪う。トータルスコアで4-3と逆転され、柏は敗退の瀬戸際に追い込まれてしまった。
しかし65分に小林がゴールを決めて4-4とトータルスコアが並んだため、アウェイゴールの差で再び優位に立つ。後半の柏は「ビルドアップがやりやすいし、守備も人数が多くて分かりやすい」(茨田)という5バックで試合を運び、持ち直した。水原の強みであるサイドのスピードには近い間合いで対応し、攻撃面でも中を閉じてきた相手に対して“奥”を生かして時間を作れるようになる。柏は単に耐えるだけでなくカウンターからチャンスも作り、終盤は流れを取り戻していた。84分には“抑えの切り札”とも言うべきDF中谷を投入し、1点ですべてがひっくり返るシビアな状況をしのぎ切った。
柏は攻撃の構成と試合中の修正、相手のエースへの対応といった反省点を残しつつ、1-2という最低限の結果を得た。太陽王が180分間の“勝負”を制し、ホームで準々決勝進出を決めた。(大島 和人)