試合の終了を告げるホイッスルがなると、何人もの選手がピッチに座り込んだ。中には、相手チームの選手につった足を伸ばしてもらう姿も見られた。その光景は、この試合がいかに激しいモノだったかを物語っていた。
キックオフ早々にアドバンテージを得たのは、栃木だった。3分と7分、立て続けに杉本が高い技術を発揮して2得点。ゴールの欠乏により引き分けが続いていた栃木にとっては、望み以上のリードであっただろうし、直近の6試合で『1』を超えるスコアを記録していない東京Vにとっては、いきなり窮地に追い込まれたことを意味する2失点だった。
だが、試合後に東京Vの選手たちが「あれが大きかった」と口をそろえたゴールが、早くも2分後に生まれる。安在が右サイドから蹴ったFKに頭で合わせたのは平本。これが今季、味スタでの“前半初得点”となった。これで東京Vに勢いがつく。日本人選手のみで構成されたメンバーは、巧みな連係から何度も決定的なチャンスを作り出していく。30℃を超える気温の中でも、出足の勢いは衰えることなく栃木を圧倒。最終的にはそのうちの2本をモノにした。終盤には足をつる選手が続出したこともあり、混乱から劣勢になったが、なんとか逃げ切って今季初の連勝を遂げた。厳しい状況を戦い抜いた東京Vは、一度遠のきかけた上位争いを、再び視界に入れている。(石原 遼一)