ムルジャ、清水慎、渡邉。交代選手が攻撃を活性化
大宮にとって首位に立って初めて迎える試合だったが、チームを支配していたのは首位としての重圧ではなかった。迷いのないビルドアップからバイタルエリアを頂点としたトライアングルを作り続け、最終ラインの裏へのランニングで相手に脅威を与える。大宮からすると「思った以上に相手が引いていた」(横谷)という状況で、前半は良い意味で“いつもどおり”の戦い方を徹底。持てるクオリティーをいかんなく発揮して福岡を自陣に押し込んだ。
内容は理想的とも言っていい45分間だったが、前半を終えて大宮の得点はゼロ。ギリギリのところで体を張り続ける福岡の守備陣によって、決定的なシュートも防がれた。
後半になって福岡が挽回すべくパワーを掛けてくるのは想定内ではあったが、「後半に入って15分くらいはわれわれも少し足が止まっている部分があった」(渋谷監督)ことで、大宮は若干の劣勢を強いられた。
しかし、総力戦を掲げてゴールデンウィークの5連戦を4勝1分で乗り切った財産がここで生きる。63分にムルジャ、70分に清水慎、83分に渡邉と交代カードを切ると、彼らが躍動する。ムルジャが裏を狙い、清水慎がサイドから中央に侵入、渡邉はその手前で中継役として攻撃を活性化すると、85分にムルジャ、88分に家長と、立て続けに決定機を創出。そして91分、ムルジャのクロスから清水慎がついにGK神山の壁を打ち破ると、94分には渡邉のパスからムルジャがダメ押し。ドローも覚悟する展開をチーム力で勝利に結び付けた。
首位の強さを見せ付ける勝ち方で、大宮が今季のJ2・10勝一番乗りを果たした。(片村 光博)