一定の方向へ吹かない気まぐれな強風は、試合を通じてホームの愛媛側に吹いていたのだろう。システムこそ違えど、木山監督は「お互いにマイボールを大事にして攻めたいという意図があるチーム」とし、その中で「どちらが(相手に)自由に攻撃をさせないかが重要」と分析した。そういう意味で愛媛は、狙いどおりの試合で完勝したと言える。
多くの時間帯でポゼッションをしていたのは横浜FC。しかし、敵陣に攻め入るも人数をかけて守る愛媛にパスコースを消され、パスを出した先ではタイトな守備で対応されるなどフィニッシュまで持ち込めない。「イライラしている選手も何人かいた」(中里)アウェイチームはもどかしい時間を過ごした。
それに対し愛媛は守備で集中力を高めて耐えつつ、少ない手数ながらも縦に速い攻撃で効果的に決定機を創出する。立ち上がり間もない11分にカウンターから先制したことでさらにその戦い方は明確になった。木山監督は「もう少し相手の支配に制限をかけたかった」とやや守備に回る時間が長くなったことを課題としたが、キーポイントとしていた相手に自由に攻撃をさせない守備は見事に実践。集中力を欠けば一気に相手に勢いがなだれ込む可能性もあった中、試合を通じて守備で穴を作ることはなく、許した決定機は終了間際の小野瀬のシュート1本のみ。愛媛は4戦ぶりの無失点劇で快勝に華を添えた。(松本 隆志)