■柏レイソル
慎重さと大胆さで勝ち点3以上の勝利を手にしたい
柏はリーグ戦に限ると、今季のホーム戦でまだ一度も勝てていない。その上、5月は4試合戦って勝ちなし。ACLの影響で消化試合が二つ少ないとはいえ、順位も15位と低迷している。
好調時の映像を見返したという主将の大谷は「攻守においてスピード感があった。そこがいま足りない部分」と分析する。選手が積極性を失いがちだからこそ、「こういうときにどれだけ思い切ってプレーできるか」(大谷)という姿勢は重要だ。ボールの動きが足元に偏ると相手は守りやすくなる。選手がそれぞれ違う動きをすることで、相手は対応が難しくなる。柏のパスワークを生かすためにも、テンポアップとスペースへの動きが必要だ。
今節はエドゥアルドが累積警告で出場停止となり、中谷の先発が濃厚。攻守の連係は彼の起用で改善されるだろう。特に攻撃面では茨田が「パスのタイミング、ビルドアップの仕方は、イメージどおりにプレーできる」と語るように、中谷の強みを出せる部分だ。
もちろん浦和は強敵で、カウンターに対する守備も大きなポイントになるだろう。ただし柏の戦いを見ると、シーズンの序盤戦に露呈した奪われたあとの位置取り、リスク管理といった弱みは改善されている。問題は慎重さと大胆さを、適時適所で使い分けるゲームコントロールに尽きる。それこそが柏を一歩先に進める次のステップだろう。
首位・浦和から挙げる一勝は単なる一勝ではない。柏は何としてもこの90分を、ホーム戦未勝利の屈辱を晴らし、失いかけた自信を取り戻すという、勝ち点3以上の意味を持つモノにしたい。(大島 和人)
■浦和レッズ
“同じ土俵なら柏に負けない”自信あり
過去3年間で勝利がなく、いずれも勝ち点を落としたことが優勝を逃した理由となったがゆえに、“鬼門”とされていたアウェイでの鳥栖戦に6-1で快勝。この第10節で柏に勝利し、G大阪が引き分け以下に終われば、最短で7日の第15節・清水戦で優勝が決まる可能性が出てくる。浦和の1stステージ制覇は近付いている。
柏戦のポイントは、出場停止で那須を欠くこと。そのまま永田が入るか、または阿部がポジションを下げてボランチに青木が入るか。永田にとっては今季初、青木にとっては12試合ぶりのリーグ戦先発となるが、「どっちが入っても柏の選手には負けない」(柏木)、「誰が出ても変わらない戦力があるのがレッズ」(武藤)という自信がある。加えて戦術的な面でも、「やることは変わらない」というのがチームの総意だ。柏が昨季までのように対戦相手に合わせてくるのではなく、ボールをつないでくるスタイルであるがゆえに、“同じ土俵なら負けない”自信もある。
あえて不安要素を挙げるとすれば、過去に苦しみ続けたプレッシャーだろうか。柏戦では開幕無敗のリーグ記録更新が懸かり、そして1stステージ制覇も近付いている。ただ、選手たちはいずれについても「意識していない」と口々に話す。多くの選手が無敗にこだわりながらも、「いつかは負ける」と自然と口に出せることがそれを証明しており、そして「『1stステージ獲ろうぜ』よりは『年間王者獲ろうぜ』というような」(柏木)雰囲気を作れている。柏戦で大事なことは、相手の時間帯でも我慢することを含め、勝ち点を重ねてきた今までどおりの試合をすること。それはほかならぬ選手たちが十分に理解している。(菊地 正典)