完全な“負けパターン”から勝ち点1をもぎ取る
典型的な、とはやや言い過ぎかもしれないが、過去に何度も陥った負けパターンだった。言い方を変えれば、こういう試合のときは負ける。だが、今回の浦和は負けなかった。今季の浦和は負けない勝負強さが備わっている。
何かがおかしかった。試合開始30秒あまりで先制したことは良かったが、そのわずか5分後に永田のバックパスからGK西川がレアンドロにプレッシャーを掛けられて苦し紛れに出したパスを工藤に奪われて失点。その後はボールを奪ってカウンターをしかけてはミスをして相手にカウンターを許し、またボールを奪ってはミスの繰り返し。今季は抜群の安定感を誇っていた槙野が空振りしてピンチを招けば、森脇のサイドチェンジは大きく外れ、阿部の縦パスは相手に渡る。さらに柏木が明らかにオフサイドポジションの選手にパスを送れば、宇賀神と武藤の連係もかみ合わない。阿部は「いつもどおり落ち着かなくてはいけなかった」と振り返ったが、“いつもどおり”の浦和はピッチ上にいなかった。それを梅崎は「試合中から思っていた」と話したが、修正ができない。今季見せ続けた“強さ”はそこにはなかった。
後半に入っても柏ペースで試合が続き、一度ならず二度もリードを許す展開。終盤には運動量が激減し、今季初先発だった永田だけではなく、何人かの選手が足をつっていた。そんな状況にも関わらず、後半ロスタイムに足をつっていた関根のクロスから武藤が4試合連続となるゴール。あの時間帯に槙野がゴール前に飛び込んでいたことも触れておきたい。
試合内容を見れば決して良い出来ではなかった。しかし、負けパターンから土壇場で勝ち点1をもぎ取って見せた。今季の浦和の“強さ”、そして“勢い”を物語る試合だった。(菊地 正典)