柏が勝ち点2以上のモノを失った試合だった。今季の柏はホームで一度も勝てておらず、順位は15位まで下がっていた。そんな中で無敗の首位チームに勝ち切れれば、影を振り払う最高のキッカケになっただろう。しかし柏は後半ロスタイムの失点で、半ば手中にしていた勝利を逃した。
“90分間”を切り取れば、チームの持ち味は出ていた。「自分たちがやってきたモノをゲームに出そう、攻撃的にやろうというところを意識して、そういうゲームになった」と主将の大谷は振り返る。ラインを上げ、前後の間隔をコンパクトに保ち、ボールを奪われた瞬間にプレスを掛けて奪い返す。柏はそのような大胆さが奏功してカウンター、波状攻撃を効果的に繰り出していた。
しかし試合の入りの30秒と、締めの3分30秒でチームは拙さを露呈した。開始30秒の失点はオフサイドを確信してディフェンスラインを止めたことが裏目に出た。後半ロスタイムの失点はさらに不可思議な状況だった。複数がサイドに寄せながらクロスを上げられ、さらにペナルティーエリア内では相手選手二人(武藤、槙野)がフリーで競っていた。あいまいかつ甘いプレーから、能力以前、戦術以前の問題で失点を喫してしまった。
「5(バック)で守っているときはもっとサイドを詰めないといけない。中にいくら入ってこようが、単純に上げさせなければいい。中の選手は(アタッカー以外が)上がってくることも想定しながら、しっかりマークに付かなきゃいけない。誰もヘディングをした選手に付いていなかった」。大谷も同点に追い付かれた場面の対応を悔いる。
4試合で1得点しか挙げられなかった5月の戦いから、柏は活発さを取り戻すことに成功した。しかしどれだけ強みを示しても、それを台無しにする弱みが抱き合わせでは意味がない。それが欲しい状況、望める展開で勝利を手にできなかったという事実が重くのしかかる柏の“90分+4分”だった。(大島 和人)