昨季の公式戦対戦成績は1分4敗。一つも勝ち星を挙げることなく、悔しさを噛み締めることしかできなかった相手、G大阪。もちろん、過去には何度も勝利したことがある。すべてに遅れを取っているわけでもない。ただ、昨季の神戸は、初タイトルを目標に掲げてシーズンに臨んだが、見上げると常に神戸よりも高みにG大阪が居続けた。
G大阪のエース・宇佐美。ゴールを奪われ続ける天敵だ。その決定力は、神戸が作ったわずかなスキをいとも容易く得点に変える。昨季はナビスコカップ準々決勝・第1戦の11分をはじめ、早々に失点する試合が続いた。3日のナビスコカップ第7節・名古屋戦(4◯0)では、相手選手に何度も危険なシュートを打たれている。「これが宇佐美だったら…」。そう震えを覚えた人は多いだろう。宇佐美を止めるためにネルシーニョ監督はどんな策を練り、選手たちはどう体現するのか。今節の非常に重要な側面だ。
宇佐美と同学年で、神戸の下部組織に所属したころから凌ぎを削ってきた小川は常に、G大阪に特別な感情をむき出しにする。それは今季、いつにも増して強烈だった。「シーズンが始まったときからどこにG大阪戦が来るかは意識していた。ACLの戦いも見ていたし、一番燃えないといけない試合」。
今季新加入した安田は元G大阪。けがに苦しみ、チームの苦境に貢献できないもどかしさと戦ってきた中で、名古屋戦は「個人的に神戸での初勝利」の試合だった。安田がようやくピッチで聞いた勝ち鬨は、古巣撃破への号砲にほかならない。
チームには歴史がある。大切なマインドや、苦渋を乗り越えた誇りもある。ナビスコカップ第6節・清水戦(1●2)の悔しさをバネに、1st第14節・仙台戦(0●1)で見いだし、ナビスコカップの名古屋戦で体現したベースがある。「これで戦えば勝てる。勝たないといけない」(小川)。借りを返すときが来た。 (小野 慶太)