■ガンバ大阪
相性最高の宇佐美と『戦術パトリック』がネルシーニョ神戸を押し切る
鹿島相手に手堅く勝ち切り2位に再浮上。浦和との勝ち点差を『7』に縮めたG大阪だが、崖っぷちの戦いが続くことには変わりない。次節で浦和が勝ち、G大阪が敗れれば、早くも1stステージの栄冠を宿敵に譲らなければいけなくなる苦しい立ち位置だ。
ただ、指揮官は密かに昨季同様の逆転Vの青写真を頭の中に描いている。未消化の柏戦を勝てば、という仮定であることは認めながらも、長谷川監督は「その試合に勝てば『4』差。まだまだチャンスはある」。そして清水時代から優勝争いを経験している指揮官は続ける。「あきらめてしまったあと、以外と首位がポンポンとこけてしまうこともあるからね」。あくまでも自力優勝がない現状だが、昨季のリーグ戦も「すべてが決勝戦」というスタンスで勝ち点を積み上げ、そして土壇場で浦和を差し切った。 追い風も吹きつつある。鹿島戦で獅子奮迅の活躍を見せた岩下は本来のパフォーマンスを取り戻し始め、最終ラインは鉄壁の堅さを見せている。暫定だが、失点数10はリーグ最少。「ガンバらしくなかったかもしれないが、とにかく今日は勝ちたかった」と今野は鹿島戦の戦い方を振り返ったが、戦況に応じて“自分たちのサッカー”を切り替えられるのが次節の対戦相手、神戸にはないチームの成熟度だ。
神戸との相性の良さも見逃せない。昨季はリーグ戦2試合に圧勝し、奪った得点は『8』。ナビスコカップを含めて4勝1分けという圧倒ぶりだった。『神戸キラー』の宇佐美ばかりがクローズアップされがちだが、神戸を圧倒する上で欠かせないのが『戦術パトリック』。サイドを突破したり、起点を作ったりと神戸の守備陣を手こずらせてきたブラジル製の重戦車は、鹿島戦では本来のキレを随所にのぞかせた。
数少ない懸念材料は、昨季柏を率いてG大阪に2つの黒星を付けているネルシーニョ監督の存在だが、宇佐美とパトリックの個で押し切る力は十分にある。(下薗 昌記)
■ヴィッセル神戸
G大阪に照準を定め、積み上げてきたサッカーで正面突破を期す
神戸は3日、ナビスコカップ第7節で名古屋を撃破(4◯0)し、予選リーグの突破を決めた。ただ、選手は誰も歓喜に酔いしれることはなく、1st第15節・G大阪戦へ意識を切り替えた。渡邉は言う。「1試合勝っただけで満足してはいけない。練習しないと強くならない」。小川も同様だ。「いまはもう、この勢いでガンバに勝つことだけを考えている」。決勝トーナメントの戦いはまだ先だ。神戸は一戦必勝のリズムを継続しながら、目前に迫るG大阪戦に照準を合わせている。
名古屋戦は完勝だった。主将チョン・ウヨンの一撃でゴールラッシュの火蓋を切り、渡邉、ペドロ・ジュニオールが二人で3得点。小川はゴールこそなかったものの、持ち前のスプリントでバイタルエリアを強襲し続けた。躍動感みなぎる前線と同様、守備でも無失点。内容をともなう勝利だった。ただ、GK山本は自戒を忘れない。「(ボールを)取られた瞬間に守備を速くする、その場で取り切る、なるべく高い位置で取り切ることはあまりできなかった」。ポゼッションで上回れば相手陣内でのサッカーを続けることが大切になる。一つの試合に対して共有したプランの成功体験を上積みしつつ、明るみになった修正点をチーム全体で共有する。いまのチームには、そのメンタリティーが確実に備わってきている。
名古屋戦でネルシーニョ監督の求めるアグレッシブな守備を遂行し、鮮烈な印象を残したブエノは言う。「ガンバは強いチーム。アウェイで難しい試合になると思うが、神戸は良いチーム、良いプレーができる。負けない」。
前節、鹿島に勝利し優勝争いに踏みとどまったG大阪。ACLでの躍動も目に新しく、神戸が今後タイトルを獲るために、強さを証明するために、G大阪からの勝利は不可欠だ。神戸は積み上げてきたサッカーで、正面突破の覚悟をぶつける。(小野 慶太)