問題は11分の中美の先制点のあとの時間帯だった。3試合連続で先制点を奪ったが、前々節と前節は早々に同点に追い付かれていた。相手の攻撃を受けてしまい、ディフェンスラインを下げた結果、前節に至っては先行した2点をひっくり返される大失態を演じている。
この時間帯だ――。そう誰もが思っただろう。だが、現実には群馬の反撃のパワーに屈し、守備ラインは少しずつ下がり始めていた。20分過ぎのことだ。GK桜井は「イヤな雰囲気があったのでCBには『できるだけ引くな!』と声を掛けていた」と振り返る。このときは34分に2ゴール目が生まれて事なきを得たが、同様のことを感じていた本間も「1点目を奪ったあとだけじゃなく、2点目を奪ったあともラインを下げてしまう嫌いがあって、もっとボールにプレスに行こうと(ピッチの)中で話していた」という。
質の高いファーストディフェンスから連動した激しい守備でボールを絡め取り速攻につなげる――。すでに確立した自分たちの強みを同点やビハインドの状況であれば思い切りの良さを持って遂行できるが、リードした途端に腰が引けてしまう。直近2試合と同様の課題が見えた今節だが、それでも大勝できたのは、今まで散々チャンスを逸してきた攻撃陣が奮起したことと、「逆転負けという厳しい経験が直近にあったから」(桜井)辛うじて前への意識が保てたのにほかならない。指揮官は現状の守備について「ボールを奪いに行く場面と、ゴールを守る場面を使い分けながら試合を運んでいくことが大事」だと語るが、これは経験を重ねて身に付けるほかないだろう。しかし試合はすぐにやってくる。次節の首位・大宮に少なくとも腰が引けた戦いは御法度である。 (鈴木 康浩)