徳島のDF石井が「相手もそんなにプレッシャーに来なかった」と振り返ったように福岡は高い位置からプレスを掛けない。アンカーの木村が「うまく組み立てることができた」と言うように出し手に自由を与えたことで福岡は守勢に回る。福岡は前半途中から城後をトップ下に置いて、攻撃の起点となる木村を抑えにいった。「相手の攻撃を単調にすることができた」と末吉は話したが、大きく流れは変わらず。木村も「ストレスには感じてなかった」と話しており、目に見えての効果は薄かった。
しかし、前半を0-0で終えたことで福岡は後半への希望を見いだしていた。これまでも内容で押されながらも結果的に無失点で前半を終え、後半に得点を挙げる。この流れで何度も勝利を挙げてきた。一方、勝ち切れない試合が続いている徳島にとってチャンスを作りながら決め切れない。「またか」という空気は少なからずあっただろう。内容では徳島に分があったが、精神的には福岡のほうに分があった。すると68分、鈴木のCKから濱田が頭で合わせ、福岡が先制。福岡がチャンスを生かし、勝ち切った。内容では劣っていたかもしれないが、勝負の機微を見逃さなかった福岡が、3試合ぶりの勝利をつかんだ。(杉山 文宣)