松本の課題。後半は相手を圧倒するも、足りなかったフィニッシュの精度
試合が動いたのは、27分。丸山のフィードを受けた太田が左サイド深い位置から中央へと折り返す。
「武藤選手が中に残っているのが気になって、そちらをケアしてしまい、結果的にニアでやられてしまった」とは大久保の弁。スキを見逃さずにニアサイドへと飛び込んだ橋本のゴールでFC東京が先制すると、前半終了間際にはペナルティーエリア内のハンドでPKのチャンス。これを武藤が落ち着いて決める。松本との点差は2点に広がった。
これまでなら、事実上ここで試合が決まってしまうところだ。しかし2点を追いかける松本は、あくまで前を向いた。3日のナビスコカップ第7節・湘南戦(0△0)に出場していたメンバーも多いFC東京の足が徐々に止まり出したことで、流れはホーム側に傾いた。風下にもかかわらず、長いボールやカウンターで圧力を掛け、「常にセットプレーを受けているようだった」(太田)。63分には岩上のロングスローをオビナが頭で落とし、そのこぼれ球を大久保がオーバーヘッドシュート。これで1点差となり試合が分からなくなると、後半は実に12本ものシュートを放ち、5本のFC東京を圧倒。同点そして一挙逆転を狙った。
しかし――。「同点、逆転という流れはできていたので、あとはフィニッシュの精度。サポーターの作り上げてくれたイケイケの雰囲気でやれたにもかかわらず、1点しか取れなかったのは力不足」と唇を噛むのは岩上。結局、その後松本がゴールネットを揺らすことは叶わなかった。
後半は主導権を握った松本だったが、やはり“惜しい”で終わっては意味がない。浮き彫りになった課題と、それでも確かにつかんだ収穫。この収穫をどう生かし、どう課題を解消していくのか。(多岐 太宿)