苦しい展開の中で結果をもぎ取った広島が2位浮上
広島が意図したような試合展開ではなかったのだろう。MF青山は「2-1で終わらせないといけない試合」と顔を曇らせる。35分に佐藤、49分にドウグラスが決め、試合をひっくり返したところまではいい。しかし流れをコントロールし切れず、危うく悔しい結果に止まるところだった。
森保監督も「非常に苦しい、難しい試合内容。押されている局面も多かった」と90分間を振り返る。しかし勝ち点3を取り切り、2位に浮上したのはあくまでも広島だ。指揮官は「メンタル的なタフさが今日の結果に結び付いた」と勝因を言葉にする。
今季の広島は石原直樹、高萩洋次郎がクラブを離れ、前線のトリオは新しい組み合わせとなった。しかし佐藤はもちろん、新加入のドウグラスと2季目の柴崎が新たな持ち味を出している。さらにスーパーサブの浅野も台頭した。
ドウグラスは柏戦でも泥臭い形ながら49分に勝ち越しゴールを挙げ、88分にもCKからパワフルな空中戦から相手のオウンゴールを誘った。決してうまい選手ではないが、守備も含めた勤勉さと体を張る忠実さが際立っていた。佐藤は3人の連係を「良くなってきている部分と、まだ良くしていかなければいけない部分の両方がある」と述べる。後半戦に向けて、より良くなる余地があるということだ。
浦和の今節の勝利により広島の1stステージ制覇はなくなった。しかし年間王者とACL出場権(年間勝ち点3位以内)を巡る戦いはまだ半分以上も残っている。思うに任せない展開から結果をもぎ取るしぶとさと、徐々に深まる連係で、広島が打倒・浦和の一番手に名乗りを上げたアウェイ戦だった。(大島 和人)