明けない夜はないし、止まない雨もないが、そんな必然さえ疑いたくなる。今季ここまでの柏を象徴するような、悔しい戦いだった。リーグ戦を見ると柏は6試合連続で勝ちがなく、ホーム戦に限るとそもそも今季は未勝利だ。今節は前節・浦和戦(3△3)に続く終了間際の失点で、勝ち点1さえ得られなかった。
それでも1点リードを背負った時間帯の戦いは十分だった。特に交代出場の大津は豪快な突破を繰り返し、頻繁に決定機を演出。86分に大谷が決めた同点弾も、大津のヒールキックが生み出した。試合を通して見ても、大谷が「運動量、フリーランで味方の選手のスペースを作るところはこの2試合で戻ってきている」と口にするように、攻撃の迫力は蘇りつつある。
ただ、結果は同点弾が失望をより強める皮肉なモノだった。ホーム戦での勝利を渇望するチームが同点に追い付いたなら、もう1点を奪いに行くのは当然だ。しかしそれが裏目に出てカウンターを焦ったボールが相手に渡り、セットプレーからの失点につながった。ホームで勝てていないという重圧が、選手を慌てさせた。
2試合で6失点を喫した守備の課題を指摘することは容易だが、それは“個”でなくチーム全体が負うべき問題だ。大谷は「最後の局面がクローズアップされるけれど、前線の追い方がどうだったかというところまで、足りない部分を要求し合っていかないと」と説く。勢いを損なうことなく、迫力ある攻撃の延長線上で相手を押し込み、前に人をかけて高い位置で奪う。そうやって“強みが弱みを上回る”状態まで高めていく――。結果、勝負強さといった要素はおそらくそんな攻防の延長線上にある。「勝ち癖がついていない」(大谷)チームがそれを手にする方法は、少なくとも強みを捨てることではないだろう。(大島 和人)