武藤はFC東京の武藤と力としてはほぼ同じ
リーグ戦負けなし。サッカーは個人スポーツではないので、選手からしてみれば、あまりそういう記録は関係ない。それでも、この記録自体はたいしたモノだ。それに、今まで埼玉スタジアムでのリーグ戦ホームゲームは8戦全勝。サポーターという大勢の味方がいるからこそだと思う。ホームで勝っていれば観客数も増えていく。クラブとしてもうれしいことで、さまざまなことが良い形で回っていると言える。
浦和のゲームを振り返ってみると、途中交代の選手が活躍していた。監督の采配を褒めないといけない部分もあるね。特に梅崎、武藤。武藤は結果を残して、先発で試合に出るようになった。実は彼、武相高のときから知っている選手だ。高校の監督が「小見さん、見てください」と柏に預けたことがあった。当時から良い選手だったね。身体能力も高くて、技術的にもうまかった。ただ「やっぱり、大学(流通経済大)に行かせます」となったのだけれども。FC東京にも同じ武藤という選手がいるが、力としてはほぼ同じようなモノを彼は持っている。
武藤を筆頭に、前線の選手が良さを見せているのも今季の浦和の特長だ。特に、即戦力で加入した選手が当たっている。ズラタンはインテリジェンスを持ち合わせている良い選手。彼らに加えて、チュンソン(李)、石原もいる。良い競争が生まれているのだろう。2年目の関根も良いプレーを見せていた。ボランチでは阿部が良い味を出していて“肝”となり、柏木とコンビを組んでいる。それに鈴木、青木も控える。ボランチから前は選手層が厚く、好調の選手が出ているね。一方で、GK西川、3バックの森脇、那須、槙野はほぼ固定。那須は得意としている3バックのセンターというポジションで生きているね。良いGKを最後方にして、安定感のある守備陣だ。広島から移籍してきた選手はペトロヴィッチ監督のサッカーを知っているから、いち早く順応できている。広島の良いところ、浦和の良いところがうまくコラボレーションできている。盛り上げ役は森脇と槙野だ。彼らがファイティングスピリットなしにプレーすることはない。そういった全体を見ても、チームとしてのバランスが良かった。
以前は、1点差で勝つことができなかったが…
ACLでは結果が出なかったが、それが好転した気すらする。G大阪、鹿島、横浜FMといったライバルチームに勝利して、勝ち点をどんどんと積み重ねていった。以前は、1点差では勝つことがあまりできなかったクラブだ。それが「我慢をしながら、自分たちのやりたいサッカーもする」という共通理解の下、まとまっている。優勝を逃した昨季終盤の苦い経験は、選手も相当堪えていたのだと思う。特に試合序盤は、慎重なスタートを切っていた。それによって、失点数も少なく抑えられている。意識していると感じるのが、前半をできれば0-0で、最少失点の『1』で終えるような戦い方だ。ディフェンスラインの選手たちは「失点ゼロでいけば勝てる」というしつこいほどの守備を見せている。1点差で勝つことの少なかったチームがこれほどの変貌を遂げたというのは、「優勝したい」という気持ちの表れだったのだろう。「絶対優勝」という意識がスコアに出ていた。ペトロヴィッチ監督はあまりタイトルを獲れなさそうな監督だと思っていたが、ようやく花が咲いた。
2ndステージもやりがいのあるステージになるだろう
ステージ優勝を手にすると、チームには「2ndステージも優勝しよう」というモチベーションが生まれる。何より、“保険”ができた。これでポストシーズンに出ることが確定したわけだからね。1stステージでできたことが、2ndステージでできないというのはあまりない。ほかのチームは“浦和つぶし”でくるだろうけど、それも良い経験になる。2ndステージも、浦和にとってやりがいのあるステージになるだろう。