緻密な守備を続けた金沢。単調な攻めの福岡に完勝
金沢は試合の入りからギアを上げ、福岡を押し込むと最初のCKから水永が押し込む。セットプレーという長所を生かし、前節の大分戦(1△1)に引き続き、先制点を手にした。先制後は福岡の3バックに対して2トップと両サイドハーフの二人の合計4人のうち3人がマンツーマン気味に高い位置からのプレスを実行する。福岡のビルドアップを粉砕するとロングボールやアーリークロスに対しては最終ラインがしっかりと対応した。ミス絡みでサイドをえぐられることはあっても、それ以外では深い位置まで相手の侵入は許さなかった。前半42分には7人が素早くエリア内に戻り、鈴木のミドルに反応するなど、まさに全員が体を張る守備を展開した。
後半に入ると金沢は一転して前線からのプレスを控え、重心を後ろに置く。その意図を問われた森下監督は「それを明言すると次に対戦するときにやりづらくなるので」とはぐらかしたが、水永は「監督からの指示があった」と明かしている。ビルドアップに長けていない福岡は最終ラインでボールを持っても効果的な崩しを見せられない。金沢もそれを理解した上での対応だった。ロングボールを入れられても後ろに重心を置き、人数を増やしたことでセカンドボールでも優位に立った。どんどん前に蹴り込んでくるぶん、福岡に押し込まれるような印象になったが、単調な攻撃に対して金沢はしっかり対応できていた。そして、狙いどおりにカウンターから追加点も挙げた。緻密な守備を最後まで展開した金沢の完勝だった。
J1ライセンス申請に向け、この試合の2日前に金沢市が前向きな支援を表明したばかり。「チームにとって追い風」(清原)を味方に、結果を手に入れた。(杉山 文宣)