7月5日、県立カシマサッカースタジアムで中田浩二、柳沢敦、新井場徹の合同引退試合が行われた。常勝・鹿島の顔として数多くのタイトルを手にしてきた3名のレジェンド。その晴れ舞台には、現役・引退を問わず、多くの友人や元チームメートが駆け付け、また、小雨の降る中、多くのサポーターが大声援を送った。
最高の一日。最高のエンターテインメント
引退試合に出場する選手には使命がある。主役である中田浩二、柳沢敦、新井場徹の3名は、ゴールを決めること。それ以外の選手は、それをうまく演出すること。その意味では、最高の選手たちが作り出す、最高のエンターテインメントがそこにあった。
17分、柳沢がこぼれ球を押し込み、早々に使命を果たすと、29分にはカズが魅せる。FKを直接叩き込み試合を盛り上げた。そして39分には新井場。スタンドからの声援を受けると、自陣からドリブルで突撃。相手選手を次々とかわし、得意のカットインからゴールを決めて見せた。
こうなれば、後半は3名の中で唯一得点がない中田に注目が集まる。しかし、「敵が多かった」と本人がふり返るように、さまざまな選手が立ちふさがった。ゴール前に上がると、ともにW杯を戦った中澤佑二や坪井慶介が体を張って得点を阻止。ならばと、相手側に与えられたPKのキッカーに名乗りを挙げるも、今度は味方のGK曽ケ端準が「遠慮なく」と全力で阻止。見事な横っ飛びでシュートをはじき出した。
その後、FKなどさまざまなお膳立てをことごとくフイにした中田だったが、85分に再びPKのキッカーを任される。主審がバニシングスプレーでPKスポットに“KOJI”と描く粋な演出も手伝い、無事にゴールが決まると、自然と胴上げの輪ができた。
「最高の1日」だったと振り返った3名。最後の挨拶では口々にクラブやサポーターへの感謝を言葉にした。しかし、感謝を伝えたかったのは彼ら3名だけではない。細かな雨が降る天候でも2万人を超える人がスタジアムに集まった。3名の名前を呼ぶ声は、いつまでも鳴り止まなかった。