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[鹿島]三者三様の歩み。世界を知る1年生たちの位置取り

2015/7/8 14:53



 中田浩二、柳沢敦、新井場徹は三者三様の未来を歩み出している。中田はクラブリレーションズオフィサー(CRO)として、鹿島のクラブ経営に携わり、クラブ初の元Jリーガー社長への第一歩を踏み出した。柳沢はコーチとして鹿島に復帰し、指導者としての道を進む。新井場は、選択肢を一つに限定せず、マルチなタレント性を発揮していくようだ。歩む道は違えど、それぞれが1年生として試行錯誤しながら新しい方向性に挑んでいる。

 元選手という肩書があれば多少の障害は減るかもしれない。それも前述したとおりただの選手ではない。日本を代表する3名だからこそ、そのネームバリューは助けとなるだろう。しかし、彼らはそれがなくとも、それぞれの道を歩んでいくのだろう。共通するのは3人が抜群のセンスを持ち合わせていること。パワーや速さといった身体能力に頼るのではなく、つねに広い視野を持ち、最適解を求めることを怠らなかった。ポジショニングで試合をコントロールできる選手たちだったことを考えると、初めて挑む分野でも的確な位置取りを見せてくれるはずだ。

 Jリーグが発足して20年以上の年月が過ぎた。サッカービジネスに関わる仕事は、数多く存在するはずだが、元Jリーガーが進出した分野は意外なほど少ない。指導者や解説者がそのほとんどだ。昨今になってようやく、強化部長や社長に元選手の名前を見付けるようになったが、まだまだその数は少ない。

 しかしながら、その潮目がいよいよ変わろうとしている。彼らの世代は、Jリーグを目指して少年時代を過ごし、W杯に“出場”することではなく“勝利”することを目標にしてきた。カズをして「一緒にやったときはかなり若かったと思うが、そのときでも世界を知っているというか、余裕がある印象を受けた」と評する世代なのだ。

 彼ら3人がまったく違う道を選択したのは偶然ではない。今後の日本サッカー界を象徴している。(田中 滋)

EG 番記者取材速報

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