破顔一笑、ゴールに絡んだらそこに行くと決めていた。「めっちゃ速かったでしょ」と自身でも振り返ったように得点が決まったあとは森下監督の下へ真っ先に駆け寄っていった。昨季、京都で指導を受け、オフシーズンに「一緒にやるか?」との誘いを受けた田村にとっていわば恩師のような存在。「仁志さん(森下監督)についていけば大丈夫だろうという信頼感がある」と話していた恩師と一緒に喜びを分かち合う。密かに決めていたことをようやく実現できた。
6月に入り、左足首を痛めるなどけがに見舞われ長く別メニューでの調整が続いていた。その上でようやくピッチに戻ってくることができた。「『やるしかないやろ!』ぐらいの気持ちだったし、思い切ってやるしかなかった。楽しかったですよ」と笑顔で試合を振り切った。この試合で最も気持ちを表現したのが田村だ。「『絶対にぶっちぎったんねん!』という気持ちの結果がああなりました。一発目でCKを取ったプレーがあってそれでいけるんちゃうかというのがあった。思い切ってやったら二発目がああいう形になりました」。0-1で迎えた83分。ガメスを一瞬のスピードで置き去りにすると、鋭いクロスを上げ、オウンゴールを誘発した。「自分は自分。他人がうらやましいとかはない」。田村は以前、そう話していた。まだ20歳だがしっかりと言葉でも表現できるところには芯の強さを感じさせる。チームが結果を出すために自身もようやくピッチに戻ってきた。試合後、海外選手と日本人選手との違いを尋ねられて「オレ、(けがで)日本人選手ともそんなに試合してないから」とおどけてみせたが、8月中旬に再開するリーグ戦に向けて期待感を抱かせるだけのパフォーマンスを示した。(杉山 文宣)
試合データ
プレシーズンマッチ
2015.8.1(土)19:15
鳥栖 1−1 アトレチコ・マドリー
【得点】
0-1 18’コケ(アトレチコ)
1-1 83’オウンゴール