大一番。渡邉のハットトリックで勝負は決する
残留争いの大一番だ。15位・神戸がホームに迎えたのは、勝利以外ではJ2降格が決まる17位・山形。ただ、神戸もこの一戦に敗れるとあとがない状況に陥る。譲れない、死に物狂いの対戦だった。互いに[3-4-2-1]の布陣で組み合う中、ホームの神戸が序盤から果敢に攻め込んだ。一方の山形も7分にロメロ・フランクが右サイドを突破してクロス、GK徳重がクリアしたボールを小椋がミドルシュートを放つなど一歩も引かない。神戸のアタッキングサードでのミスが目立つ中、徐々にリズムは山形に傾いた。だが、先制したのは神戸だった。宇佐美が「僕の責任」と唇をかむスルーパスが、チョン・ウヨンから宇佐美の背後に進入した安田へ。ドリブルからの速いクロスを渡邉が正確に押し込んだ。攻勢を強めた神戸は、1トップ2シャドーが山形の3人のCBにマンツーマン気味にプレスを掛ける攻撃的な守備にシフト。相手のボール回しを抑えて主導権を握った。
後半も神戸が先に攻め込む。ところが得点したのは山形だった。57分に得たFKをアルセウが低弾道のシュート。これが渡邉に当たり神戸ゴールへ。互いに良い流れのときに失点するつかみどころのない試合。互いの意地がピッチ上で交錯した。ただ、「山形が前がかりの中、亮太(森岡)と自分が受けやすくなった」と石津。神戸は敵陣のスペースを効果的に使って3バックの背後を強襲。同点からわずか3分後に、渡邉が2得点目を挙げる。さらに渡邉は88分にも増山の突破からトドメの一撃。残留争いの直接対決でハットトリックを達成した。
この結果、敗れた山形はJ2降格が決定。16位・松本が鳥栖に敗北したことで神戸の残留も決まった。(小野 慶太)