Photo: Norio Rokukawa
レアルの目の色を変えさせた鹿島。延長で力尽きる
試合はいきなりレアル・マドリーの先制パンチで始まった。9分、右からのクロスに、植田のクリアが短くなったところを拾ったモドリッチが右足を一閃。鋭いシュートをGK曽ケ端がはじくとベンゼマが押し込み、あっさり先制点を奪う。
いきなり出鼻をくじかれた鹿島のイレブンだったが、まったく動じない。「想定内だった。何点かはやられるだろうと思っていた」(土居)と気落ちすることなく、前からボールを追い続ける。すると44分、速攻から連続攻撃をしかけると、土居のクロスを柴崎がトラップでDFをかわし左足でシュート。レアルのゴールに突き刺さりスタジアムの雰囲気が一気に変わった。
相手の守備は決して組織的ではなく「得点チャンスはあると思っていた」(永木)という予想もあり、同点にも笑顔を見せる選手はいない。手ごたえを得て後半に入ると、そのときがきた。
52分、相手のクリアを拾った柴崎が、胸トラップからボールを左に持ち出し、左足を振り抜くと、GKナバスの手をすり抜けたシュートが突き刺さる。鹿島が逆転に成功した。
しかし、この1点で欧州王者が牙をむく。ジダン監督が、カゼミーロを一列下げて3バックにすると、両SBを高い位置に押し上げ、攻撃に枚数を割く。「目の色が変わった」(昌子)レアルの攻撃はすさまじかった。
パススピードや前線へ飛び出す速さを増し、PKで同点に追い付くと、さらに攻勢を強める。ただ相手のそうした姿勢に「慌てている」(土居)と感じた鹿島も反撃。しかし、後半終了間際の遠藤の右足のシュートは枠外に外れるなど、あと一歩が届かない。
延長に入ると、疲労が顕著となった鹿島は、前後半の運動量を保てなくなる。するとクリスティアーノ・ロナウドが立て続けに2点を奪い、あっさり主役の座を奪ってしまった。しかし、スタジアムに漂う余韻は、真の主役はC.ロナウドではなかったことを示していた。(田中 滋)