山本に代わって3バックの中央で先発したのは新井。昨季、山本が故障で離脱中は新井や畑尾がこのポジションに入ることはあったが、それ以外で入るのは初めて。山本は股関節部分の痛みをなだめながらのプレーが続いているが、限界がきているわけではない。相変わらず賢くうまい。ただ、今年で37歳を迎える絶対的なディフェンスリーダーも永遠ではない。誰かが重いドアを開ける役目を果たすことになるが、“聖域なき競争”という視点で吉田監督はドアを開ける覚悟を持っているのだろう。
「そこ(山本のこと)を意識することなく、監督が決めたメンバー、ポジションでやるのがプロの仕事」と淡々と話した新井。試合ではミスもあったが、「前からプレスにくるときのジュリーニョは思ったより速かったけれど、並走したときはそうでもなかった。ウチの(最終ラインの)5枚が(札幌の前からのプレスに)つかまれることがあったので、そこでボールを回す必要はなく、裏を狙ってウイルソンや堀米を走らせる、攻撃のための守備をしていた」と、冷静に、ある程度余裕を持ちながらプレーしていた。
そして何より2-0という結果を手にしたことが大きい。この勝ち点3は競争に決着がついたということを意味するのではなく、競争の始まりを記念する勝ち点3だ。ベテランが疲労回復に時間がかかることは配慮するが、同じトレーニングを積んで競争することを求める吉田監督。この経験は山本にとっても新鮮な感覚のはずだ。(松尾 潤)