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ハンパないヤツらを越えてゆけ/2018 FIFA World Cup Russia 日本vsセネガル プレビュー

2018/6/21 20:22


マネを筆頭に献身的で組織的なセネガル。迎えるグループステージ最大の山場

 コロンビア戦勝利の余韻に浸っている暇はない。ここまで日本は、とにかく初戦突破のために心血を注いできた。第2戦の相手セネガルに対して、より詳しい分析が選手たちに落とし込まれるのもコロンビア戦後から。短い準備期間でどこまで攻略できるか。「グループステージの中で、一番の山場はこの2戦目だと思う」(川島永嗣)。1戦目の勝利をさらに価値あるものにするべく、この2戦目の重要度は高い。
 選手個々では、すでにセネガルの過去の試合や初戦のポーランド戦の映像を目にしている。「セネガル、めちゃくちゃ強いですね。スピードがあるチームとは分かっていたけど、それよりもびっくりしたのがチームとしての規律。しっかり連動して動いている」。長友佑都は声を大にして警戒心を語った。
 アフリカのチームは時に集中力を欠くことが弱点だが、このセネガルに関しては当てはまらないという。それは、かつてサウザンプトンでチームメートだったサディオ・マネ(現リバプール)について吉田麻也が語る印象からも伝わる。「僕が接してきたアフリカ人選手の中で、断トツで真面目で献身的。うまいだけではなくてサボらない。本当にグッドプレーヤー」。
 日本はコロンビア戦と同等、いやそれ以上のパフォーマンスを見せなければ、連勝は難しい。初戦はほぼ90分間を11対10の数的優位な状態で戦いながらも、劣勢に陥る時間帯が存在した。ただ、苦しい時間帯になっても選手たちが汗をかき、冷静に対処していたところは、確実に4年前のブラジルW杯の経験が生きている。「試合中にパニックになることなく、慌てずにいろいろな引き出しをもつことができた」と守備の要、吉田も強調する。
 セネガル相手にも、まずは攻守のバランスを見定め、1試合をとおしたゲームプランを完遂したい。攻めてもリスク管理を怠らず、攻められても受け身にならず。初戦同様、熱く、クールに戦うことが不可欠だ。

克己、勝利、前進/MF 10 香川 真司

 激闘の末に勝利したコロンビア戦。試合後、空路でベースキャンプ地のカザンに戻った選手たちは、宿舎で戦いの熱を冷ました。
 香川真司は、試合後すぐに冷静になったという。
「意外とバスで空港に向かうときや帰る道中には落ち着いていた。4年前のコートジボワール戦のあと、あの日の夜のほうが厳しかったです」
 W杯は、やはり特別な舞台だ。それはドルトムントやマンチェスターUなどで数多の国際試合を経験してきた香川にとっても変わりない。4年ぶりに味わった、何とも言えない感情を、香川が明かした。
「そうですね…やっぱり試合前がイヤですね。あの独特の雰囲気というか、時間だったり、宿舎から移動して、そこでいろいろと考えてしまう。チャンピオンズリーグとかブンデスとも違う。W杯はW杯。その舞台を楽しむためには自信や感情をコントロールすること。なかなか新鮮で、大変です」
 成功するチームや自分の姿を思い浮かべる一方、活躍できなくて負けるイメージも頭をよぎる。「まさに、その二つの引っ張り合い」。メンタルの戦いと簡単に言われるが、こうした感情のせめぎ合いの頂点を味わうのが、このW杯なのである。
 そして、香川はコロンビアだけでなく、内なる勝負にも勝った。この大舞台で、初めて経験した勝利の味。自信を確信に変えられる結果を得たからこそ、いま話すその表情は、かつてないほどに柔和でいて、芯を感じさせる語り口だ。
「1試合勝てたことで、より自分たちのことに集中できる。ここからどう戦うのか。特にブロックを敷いた相手にどう攻撃を仕掛けるのか。その共通意識や攻めるタイミングさえ理解し合えれば、必ず崩せる」
 メディアを警戒しながら話すときもあるが、W杯特有の心情を吐露したところに、勝利を得たことで得た余裕と素顔が感じられた。そして、この一言。「もっともっと、僕はやれる。やるんだという感情が出てきた」。香川真司。彼の本気が、まだまだ見たい。(西川 結城)

読めない布陣。指揮官が加える変化に注意/Analysis of SENEGAL

 日本がグループステージで対戦する3カ国の中では最もプレー強度の高いチームであり、それは2-1で勝利を飾ったポーランド戦でも証明された。
 デュエル、とりわけコンタクトプレーにめっぽう強く、中盤のセカンドボールを拾っては前向きに攻勢をかけてくる。丁寧に後ろから組み立てることもできるが、ポーランド戦ではある種ポゼッションを捨てて、どんどん縦にボールを入れてパワーとスピードで勝負を仕掛けていた。ポーランドのオウンゴールを誘ったシーンも、左サイドの競り合いでボールを奪ったニアンが縦に仕掛け、中央に走り込んだマネを経由して、最後はゲイェがミドルシュートに持ち込む形。徹底してサイドにボールを蹴り込んだのはポーランド対策でもあったはずだが、深い位置でコンタクトプレーやスピードで裏をとるシーンを作り、複数の選手が連動してゴール前に走り込むという攻撃は、日本相手にもやってきそうだ。
 最も注意しないといけないのはエースのマネだが、ポーランド戦で先制点の起点になり、2点目も決めたニアンも危険だ。また、システムは[ 4-4-2 ]、[4-3-3]、[3-4-1-2]などを試合や時間帯で使い分けるセネガル。日本戦でどの形を使い、どこでどの形に変えてくるかは読みにくいが、不気味なのはポーランド戦でFWのソウ、ケイタといった本来のレギュラークラスを先発で使わなかったこと。守備のクリバリ、攻撃のマネという絶対的な二本柱はいるが、あまり先発を固定せず戦うシセ監督のこと。日本戦では中盤から前線にかけて何らかの変化を加えてくるはずだ。筆者としては中盤の強度を高めて柴崎岳などの起点をつぶし、支配的に攻撃の圧力をかけるため、長身MFのクヤテをアンカーに置く[4-3-3]でくると予想するが、実際どうなるか。(文・河治 良幸)

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