■FC東京
「味スタで勝たなくてはいけない」(権田)
青赤を見守る誰にとっても、苦い過去になっているのではないだろうか。昨年11月10日のJ1第31節・C大阪戦。4万人以上の観客で膨れ上がった味スタで待っていた結末は、87分、柿谷に見事なゴールを決められての敗北だった。GKキム・ジンヒョンの糸を引くようなロングキック一本をDFの裏に通され、最後は日本代表FWにゴールネットを揺らされた。不意に訪れた柿谷との1対1を止められなかった権田の悔しそうな表情を、いまだに覚えている人もいることだろう。
「自分にとっては昨季のセレッソ戦は相当悔しかった。決められたのも(柿谷)曜一朗だったから。あの試合はクラブも総力を挙げて盛り上げてくれたし、僕らにとってはあそこで良い試合をして勝つことが何より大事だった。だからこそ、今回は味スタで勝たないといけない」。権田は頭にこびりついたあの光景を払しょくするためにも、今節の絶対勝利を誓う。
1-2で敗れた昨季のその試合でFC東京の1点を記録したのは長谷川アーリアジャスールだった。現在、相対する桜色の5番を付ける選手である。そして、相手のベンチに座るのは、昨季までの指揮官、ランコ・ポポヴィッチ――。因縁、話題に事欠かないこの一戦。FC東京は同じ屈辱を繰り返してはいけない。(西川 結城)
■セレッソ大阪
訪れた序盤の山場。桜は勝利のみを目指す
C大阪は公式戦で5試合連続勝利がない。ACLとの両立の難しさにどっぷりとハマった感がある。16日のACL第5節・浦項スティーラース戦は、J1第7節の大阪ダービーの激闘の余波もあってか、試合の入りに覇気が感じられず、前半に失点して退場者も出す苦しい展開の末、0-2で完敗を喫した。ミスが絡んだ“安い失点”が増え、公式戦で4試合連続2失点を喫している点も気がかりだ。「結果が出ていないときこそ冷静にやりたい。勝って流れを持ってきたい」という柿谷の言葉はチームの総意だ。
今節のFC東京戦は指揮官にとって昨季まで2年間を過ごした古巣戦にあたるが、「味スタでまた戦えることに喜びは感じているが、いまは率いているチームも違う。勝ち点3を取ることだけを目指す」と私情を排して勝利のみを目指す。「タイトな日程であり、トレーニングで修正する時間もないが、1回の練習を大切にしてやっていくことが大事」と、浦項戦翌日は試合に出場したメンバーも加えて、紅白戦形式で攻撃の形を入念に指示する場面も見られた。悪くはないが、突き抜けることもできない。“史上最攻”を掲げてタイトルを目指すチームに訪れた今季序盤の山場。モヤモヤした空気を吹き飛ばすには勝利しかない。(小田 尚史)