REVIEW 2/西部 謙司
Q1.今大会の日本に足りなかったものは何か?
A.カウンター対策、1対1の守備力
今大会の日本が目指してきたプレーができたのはコロンビア戦だった。そして、この試合が最も点差が開いた(1-4)。2012年に0-4で敗れたブラジル戦、2013年のコンフェデレーションズ杯のイタリア戦(3-4)も同じ傾向のゲームだったと言える。
つまり、日本が特徴を発揮できた試合ほど失点しているということになる。
日本代表が「自分たちのサッカー」を追求してきたのは、それが勝つ可能性が高い方法と考えていたからだ。しかし、現実には「自分たちのサッカー」が実現するたびに4失点してきた。これでW杯を勝ち上がるのは困難である。
最大の欠点はカウンターアタックに弱いこと。これを克服しない限り、いくら攻撃面で進歩しても結果には結び付かない。
カウンターに弱い理由はいくつかある。攻撃時のバランスと失い方の悪さ、奪われた瞬間の切り替え、少人数での守り方、1対1の守備能力。これらがチェックポイントになるが、攻守の切り替えはさほど悪くない。一番の問題は1対1の守備力だ。しかし、これは個人の能力なので育成の課題ということになる。
そうすると、当面の改善策は2、3人でカウンターを防ぐ組織力の改善と、パスワークの改善だ。
コロンビア戦の3つ目の失点は、前線のプレスをくぐられ、内田篤人と吉田麻也の二人が最後の砦になっていたが、ハメス・ロドリゲスとジャクソン・マルティネスにやられた。二人では1対1と大差がないので、カウンターケアに3人を残し、この3人の連係で守備力アップを目指すのが当面の対策だろうか。
戦い方が一つしかないのも弱みで、先制したコートジボワール戦ではそれが出た。3バック、パスワークの生かし方、戦い方の多様性という点で参考になるのは、サンフレッチェ広島である。今大会で参考にするなら、チリ、メキシコ、コスタリカ。いずれも決して遠い目標ではない。
Q2.次期日本代表監督のオススメは?
A.ヘラルド・マルティーノ(ARG)

元チリ代表監督ピエルサの弟子筋
日本の課題と当面の対策を考えると、ミハイロ・ペトロヴィッチと森保一のコンビが最適だが、どちらも現職なのでオファーはできない。チリの土台を作ったマルセロ・ビエルサは魅力的だ。しかし、こちらもマルセイユ監督に就任したばかり。ビエルサの弟子筋では、バルセロナを解任されたヘラルド・マルティーノがフリーだ。噂のハビエル・アギーレは微妙な気がする。ホセ・ペケルマンはフリーになれば有力候補だろう。
西部 謙司(にしべ・けんじ)
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、サッカー専門誌編集部勤務。95年から98年はフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。