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ロシアW杯で日本の中盤を支えるのは?

2014/7/8 20:06

悔しい現実を突き付けられたブラジルW杯。しかし日本にはブラジルの地を踏んだ選手以外にも、大きな可能性を秘めた選手たちが潜んでいる。そこで今号から4年後のロシアW杯に向けて日本にはどんなタレントがいるのか、ポジション別に特集を組んでいく。第1回目はボランチ。ロシアの地で日本の中盤を支えるのは誰か。

◆チームの肝となるボランチ。次世代の代表ボランチは国内にいる!

 W杯という最高峰の舞台で、日本代表は苦杯をなめる結果に終わった。この4年間、ボランチの主力として活躍してきた長谷部誠、遠藤保仁のコンビは大会中にチーム内で絶対的な存在となれず、Jリーグで活躍する気鋭の青山敏弘、山口蛍も持ち味を出し切れたとは言い難かった。

 チームの心臓、あるいは肝となる重要なポジションと言えるボランチ。このポジションに入る選手がチームの舵を取り、強豪を相手にもゲームをコントロールしなければならない。

 4年後のロシアW杯に向けて、ボランチの強化も日本代表にとって重要なポイントになるだろう。そして、ロシアのピッチに立つための競争はすでに始まっているとも言える。

「強くて、速い。ボールを奪える、それに前にも運んでいける。そんな選手がW杯には多くいた」(柏・栗澤僚一)。「(世界トップレベルのボランチは)シュートレンジの広さが違う。ミドルシュートがあるからこそ、フェイントにもかかってプレーがしやすくなる」(柏・大谷秀和)。

 これまで以上にさまざまなプレーが求められるボランチ。その才能を保持し、ロシアW杯でのプレーを期待される選手は数多く存在する。期待が懸かる彼らを、あらためて各世代からピックアップし、ここに列挙、紹介していく。

 先述の青山、山口のように成長をし続け、大会直前でメンバー入りする場合もあるだろう。たとえ現在、それほどまでに注目されていない選手であっても、チャンスは十分にある。

 次世代の中盤を担う選手は、国内にいる。

MF 柴崎 岳(鹿島)
1992年5月28日生まれ、22歳。175cm/64kg。青森県出身



独特の間を持つ希有な才能。身に付けたいタフさ

 常にボールと人がせわしなく動いているサッカーにおいて、柴崎岳はフィールドで止まることができる希有な選手だ。正確な技術に裏付けられた独特の間。世界有数のボランチだったトニーニョ・セレーゾも「ハラハラすることもあるが、それが彼のリズム」と絶賛する。加えて、止まった状態から踏み出す一歩の速さ、試合終盤まで落ちない運動量など、自らが得点するために必要な能力にも磨きをかけてきた。

 弱点だった守備についても目に見えて向上している。ボール奪取力はまだ低いが、バランスの良いポジション取りを身に付けてチーム守備に貢献。球際の競り合いにも果敢に飛び込み、動き出しの鋭さでマイボールにする。

 一つ懸念があるとすれば、波が激しいところだ。今季、誰もが唸るプレーを連発した序盤から一転、GWの連戦が始まると失速した。ブラジルW杯で明らかなように、大会本番は過酷な環境を強いられる。昨季の東アジア杯辞退から続く繊細なイメージを払しょくすることが先決だろう。

 かつて内田篤人もそのイメージがあったが、いつの間にか日本で一番タフな選手になっていた。柴崎も、心配はいらないのかもしれない。(田中 滋)

MF 7 米本 拓司(FC東京)
1990年12月3日生まれ、23歳。177cm/70kg。兵庫県出身



2度の大けがを乗り越えた不屈の精神力

 無名高校から見いだされ、U-16代表として頭角を表した細身のボランチは、ルーキーイヤーの09年にナビスコカップでニューヒーロー賞とMVPを史上最年少で獲得した。同年12月にはA代表に選出。しかし、10年2月に左ひざ前十字じん帯を損傷し長期離脱する。

 11年はU-22代表に招集されるも、再び同箇所を損傷。厳しいリハビリを経たいま、FC東京でコンスタントに出場を重ねているが、代表からは遠ざかっているのも現実だ。秀でたボール奪取力、あきらめずに走り切る思いの強さ。攻撃力を「永遠の課題」として挙げる米本拓司。2度の大けがを経て不屈の精神力を身に付けた23歳は、けがをしないこと、自分を見失わないことをモットーに、真摯にプレーを続けている。

MF 大島 僚太(川崎F)
1993年1月23日生まれ、21歳。168cm/64kg。静岡県出身



圧倒的な技術。重圧への強さ

 世代別代表の常連ではあるが、代表への野心を露わにしない。その淡白さは、実は彼の強みでもある。周囲からの重圧に影響を受けることなく、プレーで大きな破綻を見せることは滅多にない。そして、大久保嘉人や中村憲剛などチームの中心選手からの要求にも、すぐに応える。それも、“圧倒的”とも言える足元の技術があるからこそ。技術に関して言えば、A代表に入っても遜色ないどころか、日本トップクラスだろう。主導権を握る攻撃的なサッカーを日本代表が求めるのであれば、中盤の底を担うのに彼ほどの適任者はいない。(竹中 玲央奈)

MF 扇原 貴宏(C大阪)
1991年10月5日生まれ、22歳。184cm/72kg。大阪府出身



新生日本の舵取り役へ

 ブラジルW杯で3試合に出場した山口蛍の姿に、最も刺激を受けたのはこの男かもしれない。12年のロンドン五輪では山口とコンビを組んで日本のベスト4進出に貢献し、C大阪でも隣でパスをさばく。中長距離パスの精度の高さは国内屈指であり、一発で決定機を演出する力がある。課題は、プレッシャーを受けたときにプレーの質を落とさないこと。そして、波を減らすことだ。代表には昨年7月の東アジア杯で初招集。「代表は常に目指していくべき場所」とモチベーションは高い。新生ジャパンの舵取り役として名乗りを上げたい。(小田 尚史)

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