補強ポイント 1 リアル・ストライカーの獲得
補強ポイント 2 最終ラインの人員不足を補填
必要最低限のピンポイント補強
変革の時期にある名古屋。玉田圭司、ケネディ、中村直志といった往年の主力選手がチームを去ったことからも明らかなように、西野体制2年目も、結果と世代交代の二兎を追うことになる。
今オフは、“適材適所”の補強を行った。明らかに人員不足であった最終ラインには大武峻と竹内彬を獲得。けが人の続出など、選手のやり繰りに悩まされた昨季のウィークポイントを補った。また、大分への期限付き移籍から復帰した田中輝希を含め、彼らは“元名古屋戦士”。チームにフィットする時間をそれほど要さないというメリットもあるだろう。
そして最大の目玉は、スロベニア代表ノヴァコヴィッチの獲得だ。昨夏加入の川又堅碁、レアンドロ・ドミンゲスはフロント主導による補強策だったものの、今回はストライカータイプのFWを欲していた指揮官自らが獲得をリクエスト。昨季は決定力不足に泣いた試合も多かっただけに、攻撃の上積みに成功した。日本での実績も十分。待望の「リアル・ストライカー」(西野朗監督)として大きな期待が懸かる。
とはいえ、スポット的な即戦力補強は“必要最低限”である。チーム全体の底上げがなされたわけではない。大量補強によって若手のチャンスが減ってしまうことを危惧するクラブ側の判断で、若いチーム編成となっていることは事実。昨季の主軸が残留を果たし、基本ベースは維持したものの、急速な世代交代の歪みに苦しんだ時期も長かっただけに、発展途上のチームにおいて個々のレベルアップは絶対に必要だ。我慢強く若手を積極起用してきた指揮官も今季の戦力を冷静に見ており、各ポジションでの良質な競争原理の下、化学反応を起こさない限り、上位進出は厳しいと強調している。
それぞれの選手が強い自覚と向上心を持ち、自分を磨けるか。競争の刺激を力に変え、飛躍していけるか。指揮官が「雪辱」と位置付けるシーズン。チーム全体の底上げなくして10位に終わった昨季の雪辱は晴らせない。
POINT 最終ラインの人員不足。若手の台頭が必須
玉田圭司、ケネディ、中村直志が抜けたことで、チームはさらに若返った。世代交代を謳う以上、良質な競争の中で若手の突き上げが必須だ。その点で、最終ラインの人員不足が気になる。実績あるCBは田中マルクス闘莉王のみで、生粋の右SBはゼロ、左SBも若手二人のみ。もちろんCBと右SBをこなす竹内彬の加入、昨季の右SB不足を見事カバーした矢野貴章の存在も忘れてはいけないが、競争という意味でも、けが人が出ることを想定しても、やはり手薄か。(村本 裕太)