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ワールドカップ予選
6/16(火) 19:30 @ 埼玉

日本
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試合終了
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シンガポール

Report マッチレポート

一本槍では、“全身全霊の壁”を貫けず

2015/6/19 14:00

悪癖再発。柔軟性なき攻撃に終始し痛恨のドロー


 いまや、代表戦が始まる直前のスタジアムの雰囲気は、お祭り同然である。シンガポール戦前も選手紹介のたびに黄色い声援が飛んだ。しかし試合後は、その空気は一変した。まばらな拍手はあったが、それをかき消すようなブーイングが飛ぶ。無理もないだろう。大切なW杯予選の初戦、日本はホーム・埼玉スタジアムでシンガポール相手にまさかの引き分け。23本のシュートを浴びせたが、集まった約5万7千人の観客が沸く瞬間は訪れなかった。

「(ブーイングは)仕方ない。むしろやさしいぐらい。サンシーロ(ミランのホーム)ではこの50倍ぐらいのブーイングが浴びせられるので」。そう気丈に話したのは本田圭佑だ。結果には反省していたが、7本ものシュートを放ち、中には決めてもおかしくないような場面もあっただけに当然彼にも責任はある。

 引いた相手を崩せない。その課題はいまに始まったことではない。今年1月のアジア杯では準々決勝・UAE戦で同様の展開に陥り、PK戦で敗れ去った。

 いまの攻撃陣は、プレッシャーが掛からない状態でボールを保持すると、欲が出てしまう。その欲とは、密集する敵に向かって細かい連係で綺麗に崩していこうとする意識である。ある程度自由にボールを持てるぶん、その余裕から選手たちはどうしても自分たちが描く理想的なプレーに走ってしまうのだ。さらにこの試合に向けて、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が目指す縦に速い連係を練習で準備していた。「みんなコンビネーションの練習を繰り返していたので、そればかりになってしまったところはある」と、後方から見守っていた吉田麻也は振り返る。

 中央を閉じている相手を攻略するためには、例えばサイドからの揺さぶりも必要だ。ボールを大事にする意識が日本人は特に高いが、相手との駆け引きの中でDF裏への“捨てパス”や“捨てクロス”、ミドルシュートなど、ありとあらゆる手段を示さなければ、固められた守備陣形はなかなか崩れない。後半、太田宏介のクロスから再三好機が生まれたことも、一つの好例。結局日本の選手たちは、指揮官のスタイルと自分たちの嗜好に沿うばかりで、今回も柔軟性のなさを露呈してしまった。(西川 結城)

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