4月9日、若手に混じって居残りシュート練習を志願していた。多くの選手が帰途に就く中、「練習で入らなかったので。練習で入らないモノは試合でも入らない」と何度も動き直し、両足からシュートを放っていく。迎えた第7節・東京V戦。果たして難波は、自身初のハットトリックを達成する。
得点への執着、決定的な一瞬を決め切るという意識は昨季以上に強い。昨季はゴールの形を増やそうと練習に取り組み、自身初&キャリアハイの二ケタ得点(12点)を挙げたものの、「1年だけじゃダメだと常に言い聞かせて今オフに入った」。これを実現するために、難波はある思いを胸に秘めていた。
「人間、誰でも単発ではできる。動き出しにしても連続してやること。何事も1回で終わらないこと」
この日も“単発”では終わらなかった。右クロスを確実に流し込んだ1点目。左クロスに詰めていた2点目。いずれもカウンター、相手より早い“動き直し”が生んだ2ゴールで、昨季は1度、今季は3度目となる固め打ち。目標の一つに掲げてきた2年連続二ケタ得点どころか、得点ランク単独首位に浮上した。決して偶然の産物ではない。「シュートを決めたり、決められなくて『ウワー』ってなっているところが夢にも出てくる」ほど、得点に対する危機感はすさまじい。
練習は嘘をつかない。「去年もまだまだ取れると思っていたし、取れるだけ取りたい」と話していた今季のエースは、ひと味もふた味も違って見える。