両クラブがACLのベスト8に勝ち残っているため、順延されていた1st第10節。戦術的に動いたのは15位の柏でなく、4位・G大阪の長谷川監督だった。G大阪は6戦負けなしながら、直近の2試合を「チャンスは作っているが、なかなか決められず勝ち切れない」(長谷川監督)展開で引き分けている。指揮官は宇佐美を左サイドに配置する[4-2-3-1]の形を採用し、柏戦に臨んだ。
しかしG大阪は立ち上がりの攻勢をモノにできず、12分にはセットプレーから失点を喫する。「ボランチの一人がしっかりと前でつぶしに行く」(遠藤)プレスも、柏にいなされてしまう場面が多く、カウンターに結び付けられなかった。
柏の大谷主将は「アキ(秋野)がCBと(MF)の中途半端なところで受けて、俺とクリ(栗澤)で中盤に数的優位を作る動きがハマっていた」と振り返る。柏は小まめな動きでズレを作り、ボールを動かした。加えて右サイドでの展開を増やし、宇佐美をゴールから遠ざける狙いも奏功していた。
とはいえ宇佐美は、チームがリスクを冒して攻めに出た終盤に輝き、85分のドリブル突破、88分のスルーパスなど、チャンスメークで真価を示した。しかし試合をとおして見れば攻撃陣のわずかなズレ、パトリックの精度を欠いたフィニッシュがチームの足を引っ張った。
長谷川監督は「ここ2試合に比べたら向上しているし、アグレッシブさも出ている」と内容面を評価したが、11本のシュートはすべて不発。G大阪とは逆に“守り切れず、勝ち切れない”展開の続いていた柏が意地を見せた、ACLのベスト8対決だった。(大島 和人)