急がず、慌てず。狙いを定めて試合を決める
ベスト8の最後の椅子を懸けた一戦は、2-1で順当になでしこジャパンが勝利を収めた。佐々木則夫監督はGKに海堀あゆみを起用し、宇津木瑠美をボランチに配置。大儀見優季と大野忍が2トップを組んだ。立ち上がりこそオランダが勢い良く攻めたが、10分の有吉佐織の先制点で日本が主導権を握る。宮間あやのクロスに大儀見が頭で合わせ、クロスバーのはね返りを有吉がダイレクトシュート。「ピッチに水が撒かれていたので、滑っていくシュートを」と狙った有吉の代表初得点だけでなく、日本は前半で15本のシュートを放つ。21分には川澄奈穂美のクロスにフリーの宮間がシュートを放ったが、これはゴール左に外れた。大野の献身的な守備とは対照的に、オランダは前線からボールを奪いに行かずカウンターを狙ったため、日本は狙いを定めながらボールを回し攻め急がない。そのため守備に回っても冷静にボールを奪い返し、またじっくりとオランダゴールを目指した。
76分にはオランダのCKを鮫島彩が日本ゴール方向に誤って蹴ったが、これは海堀が右手で間一髪セーブ。日本は高い集中力で守りながら、78分に阪口夢穂が追加点を挙げる。「思いっきりシュートを打とうかなと思ったけど、置きにいった」と話す阪口が、宮間のアシストで女子W杯初得点を決めた。そして日本は澤穂希を投入した80分から[4-1-4-1]に。するとオランダは90+2分、パワープレーからファン・デ・フェンがヘディングシュートを放ち、海堀はそれを胸トラップして時間を有効に使おうとしたが、ボールが滑ってゴールイン。失点時間がやや残念だったが、日本としては狙いどおりの守備で相手の自由を許さない試合巧者を感じさせるラウンド16だった。