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J1リーグ 第17節
6/27(土) 19:00 @ 味スタ

FC東京
3
1 前半 0
2 後半 2
試合終了
2
清水

Column 試合前コラム

[FC東京]あきらめずに前を向く。その時を共有できた価値

2015/6/26 12:46

 中学生のころから、青赤のジャージを着て育った。大学サッカーを経由して、プロの選手として再びクラブに戻って来た。昔から彼のプレーを見守ってきた人も多いだろう。昨季から本格的にトップチームでプレーし始めてから、その虜になった人間もいるだろう。

 すべての人たちに共通して言えることがある。どんな場面でも走り続ける。常に前だけを向き、相手に向かっていく。そして、決してあきらめない。そんな、武藤嘉紀が毎試合体当たりで見せてきた姿に、人々は目を奪われ、心を奪われていった。

 今季ここまでを振り返るだけでも、劇的な場面の連続だった。開幕戦、雨の万博でG大阪相手に2点のビハインドから追い付いた2ゴール。常に先輩として隣で武藤を見つめてきた森重は「2年目の今季が勝負だということを常にアイツは自覚していた」と語る。その大事なスタートを、自らの力で勢い付けた。

 川崎Fとの多摩川クラシコでは、先制を許すも後半になって武藤はギアを入れ替えると、敵陣で粘ってボールをキープ。そこから前を向いてしかけたことで得たFKを、太田が直接蹴り込んだ。そして試合終了間際、このビッグゲームの決着を付けたのも、背番号14のゴールだった。

 ほかにも、味の素スタジアムでの柏戦では、1-1の同点から決勝弾を決めてみせた。3連敗中だったチームを救う、まさにエースの仕事ぶり。今年1月、日本代表がアジア杯で惨敗した直後、消沈気味だった武藤が豪州でこう話していたことを覚えている。「自分が決めていれば代表は負けなかった。今季は東京で決勝点を決められる選手にならないと」。あきらめない、そして勝負強い。そんな武藤のイメージは、この1stステージの戦いぶりからも周囲に植え付けられたはずだ。

 今週の東京・小平の練習場。武藤は落ち着いて調整を続ける。「最後の試合の前なのに、いつもと違うという感じはないですね」。チームメートとじゃれ合う姿も普段のまま。マインツの赤いジャージを着て汗を流す日々は、すぐそこまで来ている。それなのに、武藤は今後も青赤を身にまといこの地で汗を流していそうな雰囲気を漂わす。自然体。そんな空気感を、小学生のころから一つ上の先輩として付き合ってきた三田がこう代弁する。

「しんみりムードはイヤだ。最後も勝って、よっちらしく明るいお祭りムードで送り出したい」―。

 最後の瞬間がいよいよ迫る。本格的にプロに入ってプレーしたのは、たった1年半。短い期間ながら、彼が残したのは濃厚な一瞬一瞬だった。青赤のエース、武藤嘉紀。泣いても笑っても、あと一戦。「どんな形でもいい。泥臭く点を取りたい」。あきらめずに、前を向く。彼の真骨頂は、最後の味スタにも涙と笑顔をもたらしていく。(西川 結城)

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