■ヴァンフォーレ甲府
バレー欠場は痛手も、全員サッカーで柏を迎え撃つ
前節、リーグ戦における11回目の富士山ダービーで清水から初勝利(2◯0)を挙げた甲府。1st第12節・山形戦(2◯0)以降、4勝1分負けなしとV字回復中だ。佐久間甲府は5試合で最下位から12位まで順位を上げた。ただ、清水戦では、第14節の新潟戦(2◯0)のリプレーのようにバレーが前半の早い時間帯に負傷交代。清水戦の先制点(公式記録はオウンゴール)を加えれば5試合(198分)で実質3ゴールのバレーを欠くことは今節の不安要素。しかし、前線にボールが収まらなくても、セカンドボールからの勝負で粘り強く戦い、主導権を取られても負けない甲府スタイルで柏を迎え撃つことに変わりはない。
ポジションは流動的だが、阿部拓、伊東、稲垣の3人で構成する前線の攻守の働き、戦術理解は重要。特に稲垣の守備力は柏の決定機を減らすカギになる。攻撃では、監督交代後に取り組んできたビルドアップから背後を取る動きを出せる場面はそう多くないかもしれないが、[5-4-1]の守備組織からのカウンター勝負では、絶対に結果を出したい。その意味で、パスを出す下田とゴールを決める伊東の神奈川県出身コンビに対する期待は大きい。また、堀米、松本らナビスコカップで結果を残して自信を付けている控えの若手と、コンディションを良好に保っている盛田らベテランの起用も勝負を左右する要素だ。
セ・リーグの順位表同様に、中位から下位の勝ち点が詰まっているJ1。12位という順位に安心せず、危機感と向上心の全員野球ならぬ全員サッカーで柏に挑みたい。佐久間監督は、「攻守で大きな穴がなく、すべてにおいて80点以上」と柏を評するが、勝って1stステージの最後にインパクトを残したい。(松尾 潤)
■柏レイソル
“必敗パターン”を克服し、“ズレ”を作って攻める
柏はACLで韓国や中国の強豪を次々に退け、23日の1st第13節(1◯0)では日本の三冠王者・G大阪も下した。一方で16位・山形、17位・新潟に敗れ、18位・清水とも引き分けている。それは取りこぼしの一言で片づけられない大きな課題だ。
守備を固め、相手の強みを消してくる相手をどう倒すか。そこが今節・甲府戦でもチームが直面するテーマだ。直近の2試合を見れば、柏の守備には改善も見て取れる。しかし堅守の甲府は“攻撃時のカウンター対策”が特別に問われる相手だ。
工藤は「相手にどれだけチャンスを作らせないか。それをしながらも自分たちがボールを持って焦れずにどう戦っていくかというところがカギになる」と甲府戦のポイントを説明する。攻めあぐねてバランスを崩し、もしくは奪われたあとの対処が遅れることで、カウンターから相手にゴールを許す。それはもう繰り返したくない“必敗パターン”だ。
スペースを慎重に閉じる相手から得点を奪うことは容易でないが、そこは動きの工夫で打開するしかない。縦、斜めのランニングで相手DFを後ろに引っ張る。もしくはSBやMFの追い越す動きで相手をはがす。そうやって“ズレ”を作ったところにパスが通れば、柏はゴールに迫ることができるはずだ。
もちろん「近くにいる選手、後ろの選手が出て行った選手の穴埋めをする」(工藤)というカウンター対策が攻撃の前提だ。とはいえフリーランニングで“出入り”を繰り返すことが、最終ラインを揺さぶり、堅守の綻びを誘う第一歩となる。柏は相手をズラす動きとリスク管理で苦手を克服し、良い形で1stステージを締めくくりたい。(大島 和人)