大宮完封勝利。相手の時間帯でも集中力を切らさず
大宮にとって、我慢の立ち上がりだった。長崎に早めのサイドチェンジからフリーの状態のウイングバックを使われ、警戒していたクロスによる攻撃を繰り返された。渋谷監督も「主導権争いで、最初は長崎のほうが良い形だった」と認める。
ただ、相手の時間帯を乗り切る意思統一はしっかりとできていた。クロスをはね返し続けた河本は、「しっかりマークは付けていたと思うし、そんなに怖さはなかったので大丈夫だと思っていた」と言う。押し込まれても決定的なシーンまでは作らせないための準備が徹底されていた。
時間とともに長崎のウイングバックに対しても先手を打って対応できるようになったことで、大宮の時間帯も生まれてきた。ムルジャと家長に加え、左サイドハーフに入った清水慎の裏へのランニングをシンプルに使いながら全体的にラインを押し上げる。結果として相手ゴール前でのプレーを増やすことに成功。40分には相手ゴール前付近でFKを獲得し、横谷の見事な一撃で大宮が先制した。
これによって大宮には良い意味での精神的な余裕も生まれた。「前半は0-0でいいかなという感じはあった。でも(得点を)入れてくれたので、そこからは攻められる時間があっても気持ち的には優位に立てたと思う」と和田。長崎は後半もシンプルにサイドを使いながら訓練された攻撃を繰り出してきたが、チームの集中力は途切れない。結果として後半は8本のシュートを浴びたものの、ボールへのプレッシャーは常に失わず、クリーンシートを達成した。
圧倒しての勝利ではない。しかしチームとして最善を尽くした結果の、必然の勝利だった。(片村 光博)