ドラマは終了間際の90分に待っていた。1-1のままゲーム終盤を迎えた群馬は、CBの青木が後方からオーバラップをしかけていく。「数的優位を作れる場面だったのでリスクを負って出て行った」(青木)。左サイド深くでボールを受けた青木は切り返した右足でゴール前へクロスを送る。そのボールに合わせたのは、途中出場の野崎。ファーからニアへの動きでマークを外すと渾身のヘッドでゴールへとねじ込んだ。「最高のクロスが入って来たので自分は流し込むだけだった。すべての気持ちをヘッドに込めた」と野崎は劇的な決勝ゴールを振り返った。
簡単なゲームではなかった。序盤からリズミカルな攻撃を見せた群馬は、23分に吉濱のゴールで先制する。だが、徳島がシステムを[4-4-2]に変えた後半に押し込まれると55分にあっさりと失点、その後も劣勢となる。いつ逆転されてもおかしくなかったが、GK富居の好セーブなどで耐えるとチャンスは終了間際に待っていた。野崎の決勝点はチーム一丸となって必死に戦った賜物だ。「前半戦の最後で劇的な勝利を収めることができた。これを後半につなげなければいけない」(服部監督)。下位に沈むライバル・徳島からの勝利はチームを勢い付ける起爆剤となる。(藺藤 心)