
渡独前はJ1通算105試合出場11得点を記録している
“勝負の意識”を加速させるドイツからの帰還者
幾度か言及しているように、現在の川崎Fには技術だけでなく“闘う姿勢”が備わりつつある。「リハビリで練習を見ていて、 『もっとやれよ』と思っていたが、復帰したくらいからみんなファイトするようになった」と小林も語っていたが、チームは、良い意味での緊張感が張り詰めた中でトレーニングができている。そして、田坂の加入がさらにその“勝負の意識”を高めることは間違いないだろう。
「闘わない選手は使ってもらえないというのが特に(ドイツの)2部は強かった。ルーズボールが、特に多かったので。その部分が第一に求められた」。3年間を過ごしたドイツで養い、自らの血となり肉となったのは一つひとつのプレーの強度。川崎Fに還元したいのはこの点だと語るが、「まず川崎Fは川崎Fでスタイルがあるので、それをうまく落とし込みながらやりたい」と口にするとおり、チームの志向するサッカーへ慣れることが先決である。
実際のところ、それにはもう少し時間を要しそうな感もある。6月の最終週にチームに合流したが、最初の1週目はフィジカルトレーニングとランニングに終始し、全体練習に合流したのは7月に入ってから。特徴的なテンポの速いサッカーに、身を完全に染めるのにはもう幾日か欲しいところだ。
しかし、本人が“復帰戦”として見据えるのは11日の2ndステージ開幕戦、ホームでの多摩川クラシコ。大島の帰還や谷口の台頭を始め、急激に選手層が厚くなる中盤に入り込むのは容易ではない。ただ、ベースとなる技術を持ち、中盤ならどのポジションでもこなせる彼の存在はチームにとって非常に大きい。悲願のステージ制覇に向けての切り札として大いに期待を懸けたい。(竹中 玲央奈)
田坂 祐介(たさか・ゆうすけ)
1985年7月8日生まれ、30歳。広島県出身。172cm/68kg。広島Y→青山学院大→川崎Fを経て12年にドイツ2部のボーフムに完全移籍。今季6月に川崎Fに復帰。ドイツ2部では通算81試合出場9得点。