■川崎フロンターレ
世界を体感した川崎F。練習にも早速効果が
2ndステージが幕を開ける4日前にドルトムントとのプレシーズンマッチ(0●6)を挟むことでコンディション面の不安はあったが、結果としてはこの試合を挟んだことが与えるチームへの影響は非常に大きく“成功”だったと言えるかもしれない。「(1stステージの最後は)3連勝で、みんな『良い感じで来ているんじゃないか』と思っていて、そこでああいうチームにボコボコにされた。またイチからやり直しになったというか、切り替えの速さも全然違うし、そこを見習えたのは本当に良かった」と新井。風間監督も「良い体験ができたと思う。一番高いレベルを見せてもらったので、そこを自分たちの中に還元していきたい」とポジティブにとらえる。ただ、それを結果として示さなければ意味がなくなってしまう。
「あれを経験して、変わらなきゃダメでしょう」と中村が口にしたように、9日の練習はこれまで以上に激しいモノとなった。先の新井の言葉にもあるように切り替えの速さや球際の強度はこれまでよりも上がっており、練習を見る限りドルトムント戦の効果は早速出ているようだった。
そしてもう一つ注目すべき点は中村。紅白戦では谷口、大島のダブルボランチの前に中村の姿があった。「俺があそこに入ると、(大久保)嘉人はもうちょっとゴールに専念できる」(中村)。得点を取ることだけに大久保を集中させるための起用だ。実は昨季、大久保は「憲剛さん(中村)は一個前にいてほしい」と漏らしたことがあった。理由は単純だ。
「憲剛さんがトップ下にいるとき、俺は結構点を取っている」 世界の強豪に差を見せ付けられたことで感じたモノは大きかった。負傷離脱していたメンバーも万全の状態だ。そして、頼れる主将が先発の座に帰還し、エースの力を倍増させる。“開幕戦”の多摩川クラシコ。川崎Fは最高の状態でライバルを迎え撃つ。(竹中 玲央奈)
■FC東京
反撃準備完了。新外国籍選手の登録も間に合う
武藤嘉紀は、すでに新天地・ドイツで新たなスタートを切り出した。彼がFC東京に残していった強烈なインパクトと記憶は、簡単に消し去ろうとしても難しい。「なんだかんだ言ってよっち(武藤の愛称)がいないとさみしいというか、存在感があったからピッチ内外で変な感じがするとみんな言っている」(太田)。先週末まで東京・小平グランドでは自主トレに励む武藤がいた。それだけに、余計にクラブに関わる人々にとっては喪失感が強いのかもしれない。
しかし、戦いは待ってはくれない。「この世界において、移籍は付き物。選手は誰もが『武藤がいなくなって勝てなくなった』なんて言われたくないと思っている」。主将の森重はチームを引き締める態度で、2ndステージを迎えようとしている。武藤への思いを素直に話していた太田も「フロンターレ相手に最初に勝てれば、また勢いに乗れる。大事な一戦。絶対に勝ちたい」と、試合に対しては感傷的な感情は皆無だ。
そして、新たな戦いに向けてすでに新戦力がチームに加わっている。豪州代表FWのネイサン・バーンズとスペイン人FWのサンダサの2選手が、正式に加入。8日の練習から本格合流を果たした。スピード豊かな突破が魅力のバーンズはミニゲームでいきなりキレのあるプレーを見せ、またサンダサも少し試合から離れていたが、随所にポストプレーや推進力など自らの武器を示した。「なんとかフロンターレ戦に間に合わせたかった」(立石敬之GM)というクラブの意向どおり、Jリーグへの選手登録もすでに完了。いきなり多摩川クラシコのピッチで、青赤の新助っ人たちが登場する可能性も出てきた。「相手は自分たちとは戦い方が真逆。自分たちは向こうの攻撃に焦ることなくしっかりと耐え、しぶとく勝ちたい」(森重)。2ndステージも基本は変わらず、堅守を目指すFC東京。若きエースは去ったとしても、アウェイ・等々力で一枚岩となる。(西川 結城)