はねのける。激しいマンツーマンとロングボール
那須の第一声は「しんどかった」だった。
「私自身ハッピーなのは、今季はもう松本と対戦することがないことだ」というペトロヴィッチ監督のコメントには多少の皮肉も込められているかもしれないが、いかに苦しい試合だったかを物語っている。
「2ndステージは、相手もより研究してくるので1stステージより難しくなる」。指揮官を始め選手誰もが戦前からそう話していたが、まさに松本は浦和対策を徹底してきた。トップの前田が後方でボールを回す那須と阿部を見て、安藤がスイーパーのように1枚余る以外は浦和が動けば形が崩れるほど完全にマンマーク。浦和は「一番イヤなところを消されていた」(興梠)。
それでも浦和は、12分という早い時間帯に先制すると、落ち着いてボールを回しながらチャンスをうかがい、自分たちのペースで試合を進めていった。後半に入って52分、柏木と梅崎のワンツーから相手を崩すと、こぼれ球を拾った興梠が冷静にゴールを決めてリードを広げることに成功した。
しかし、ここから苦しい時間帯が続いた。点を取りにいくしかない松本は、ロングボールを前線に放り込んで浦和を押し込みにかかる。62分にCKから1点を返すと、圧倒的なサポーターの応援を背に松本の勢いはさらに増した。浦和のディフェンスラインはことあるごとに「ラインを上げろ」というジェスチャーを繰り返していたが、徹底したロングボールに「コンパクトに戦うという意味ではなかなか難しい面もあった」(那須)。86分にはロングスローのこぼれ球から酒井がオーバーヘッドで放ったシュートがクロスバーに当たり、ロスタイムに入った93分には田中のロングシュートをGK西川が防ぐなど、ピンチもありながら何とか守り切った。
優勝した1stステージからの仕切り直しであると同時に、年間勝ち点1位を目指すための戦いのスタート。その試合で浦和が見せたのは「難しい試合の中で我慢し切れた」(柏木)姿であり、「勝ち点3を取れた今季の強み」(興梠)だった。(菊地 正典)