逆転勝利の鹿島も、内容の手ごたえは薄く…
逆転劇は唐突に訪れた。鹿島はダヴィをターゲットにしたパワープレーから94分、96分に2得点。完敗の内容から一転して勝利を手にした。しかし、逆転弾が決まったとき、ピッチまで飛びはねて行ったトニーニョ・セレーゾ監督も、冷静になった会見では「今日の試合は相手しかプレーしていない」と振り返る。決勝点を決めた遠藤も「正直、相手のほうが出足やセカンドの対応は早かった」と渋い表情だった。
前半の鹿島は攻撃陣が果敢なアタックを繰り返す。ところが、新潟の守備網にことごとく摘み取られ、勇気ある突撃は蛮勇に。30分、CKから昌子が挙げた先制点も、31分に指宿に強烈なシュートを決められてフイに。「1stステージもずっとそうだったけど、点を取ったあとに必ず入れられている」(昌子)という、前期の課題をそのまま引きずるやられ方で意気消沈すると、42分には昌子の対応ミスから小泉に決められて逆転を許してしまった。
後半は、遠藤を入れたことで右サイドに起点ができ、遠藤が引き寄せた左SBのコルテースの背後にさまざまな選手が入り込むことで、前線に流動性が生まれた。ただ、ポゼッションに改善が見られただけで、試合のペースは変わらず新潟のもの。いつ3点目が入ってもおかしくないほどチャンスを作られ、CBを植田からファン・ソッコに代えても目に見えた変化は生まれなかった。
それでも、勝利できたのは試合をあきらめない「クラブの歴史がモノを言った」(セレーゾ監督)のかもしれない。しかし、クラブの歴史を語るなら、そもそも試合展開は違うはず。勝ち点3とダヴィの復帰以外、プラス要素を見いだすのは難しい試合だった。(田中 滋)