■京都サンガFC
まずは守備。難敵・C大阪を失点ゼロで抑えたい
石丸監督の初陣となった前節・長崎戦は0-1で敗れた。ボールポゼッションで優位に立ちながら得点を奪い切れなかったことに歯がゆさは残る。ただ、球際に厳しく、攻守の切り替えを素早く、自陣ゴール前で体を張るという戦うメンタリティーはピッチで体現した。和田昌裕前監督の解任に揺れた京都だったが、勝利を奪うための大原則をいま一度、確認できたことはかけがえのない収穫だ。
15日に始まった今節・C大阪戦へ向けてのトレーニング。石丸監督が強調したのはディフェンスだった。失点数の多さを改善するために、4バック、3バックのシステムを試し、スライドやラインコントロール、寄せや戻りなど、ゾーンディフェンスの精度向上へ本格的に着手している。「全員で距離感を保ちながらやっていくことが大切」と石丸監督。相手を自分たちの管理したスペースに誘い込み、ボールを奪って攻撃につなげる。一つひとつ積み上げることで、京都は“きっかけ”を探求している。
前節・長崎戦では多くのメンバーが変更された。若さ、刺激、練習姿勢、アタッキング力などさまざまな意図が込められているが、選手たちが抱える意識はただ一つに集約される。駒井は言う。「結果が出ないことは苦しい。でも、自分を信じてやっていくしかない。ハードワークして頑張りたい」。
今節は強豪、C大阪が相手。関西ダービーという注目のカードでもある。ただ、京都が目指すのは自らに課す迷いなき積み上げだ。菅沼は言う。「セレッソを(失点)ゼロに抑えたい」。GK清水の気合いも十分だ。「スキを与えてはいけないし、90分+ロスタイムを集中し切らないといけない」。
C大阪を撃破したとき、京都は確かな積み上げを実感することになる(小野 慶太)
■セレッソ大阪
新システムでつかんだ結果を携え、勝ち点3を奪う
フォルランとカカウが抜けた6月以降、C大阪はチーム全体の守備意識が高まり、失点が激減した。得点力の低下にも直面したが、そこで気を吐いたのが楠神。第17節・愛媛戦(1○0)で決勝点を挙げると、第18節・水戸戦(1△1)でも玉田の先制点につながるPKを獲得。その後、第19節・徳島戦(1○0)で負傷に見舞われたが、楠神の穴は関口が埋め、第20節の栃木戦は3-0の快勝を収めた。
新チームとして手ごたえをつかんだ矢先、今度は長谷川アーリアジャスールのサラゴサ移籍が発表され、パウロ・アウトゥオリ監督はシステムを[4-3-3]から[4-4-2]へと変更。ビルドアップや前線の連係といった攻撃の再構築が求められたチームは、第21節・大分戦、第22節・横浜FC戦と連続で無得点に終わ
る。しかし、6月にベースを作った守備は崩れず、スコアレスドローに持ち込み勝ち点1を拾い続けた。
[4-4-2]で臨む3試合目となった前節・札幌戦は、守備陣の奮闘に攻撃陣が応えて3-1で快勝。攻守のバランスが高いレベルで取れ始め、組織として前進していることを示してみせた。
崩して奪った3得点に対し、「新しい攻撃陣が一歩前に歩みを進めた」と話した指揮官だが、「チームとしてまだまだ成長の余地はある」と手綱を緩めることはない。今節の相手・京都は石丸新監督となってホーム初戦。強い覚悟で挑んでくることが予想されるだけに、C大阪は気持ちの面でも負けてはいけない。また、今週は台風の影響により、試合当日のグラウンド状態も読みにくい。それでも、どんな状況にも左右されないタフなメンタルで戦い抜き、自動昇格圏へ向けて力強く歩みを進めたい。(小田 尚史)