播戸、ハットトリック。多彩な得点パターンを披露
立ち上がりの展開は五分だったと言っていい。互いにリスクを避けた大きな展開を続けたが、試合が落ち着いてくるとともに大宮がボールを動かしながら敵陣内でプレーする時間を増やしていく。
28分の大宮の先制点はポゼッションを高めていく中で生まれた。左サイドの低い位置でのパス回しで福岡を同サイドに引き寄せると、スピードアップして右サイドの渡部に展開。渡部がファーに向かって放ったクロスに播戸が合わせ、ネットを揺らした。
33分、大宮は左サイドを崩して再び播戸がシュートチャンスを得ると、37分にはロングボールで左サイドを抜け出した泉澤のクロスを播戸が沈めて2点目。さらに2分後の39分、今度は中央の縦パスを起点に家長とのワンツーで前を向いた泉澤がスルーパスを送り、これを受けた播戸がハットトリックとなる3点目を流し込んだ。ピッチを大きく使った展開、そして中央のコンビネーションと、バリエーション豊かにゴールを陥れた。
福岡は前半終了間際に金森が1点を返し、後半に入ると一段階ギアを上げ、勢いを持って反撃に出る。その起点は主に最終ラインからのロングボールであり、「相手のバックラインにプレッシャーが掛かりづらかった」(大宮・渋谷監督)。互いに間延びした展開で大宮の良さが出づらくなると、馬力勝負で福岡が押し込む時間を作るようになる。
それでも大宮は崩れなかった。空中戦に絶対の強さを持つ河本、福田のCBコンビを中心にアバウトなボールをはね返し続け、後半は無失点でリードを守った。左SBで今季初先発を果たした大屋は「焦らずしっかり声を出して、チーム一丸で守り切った」と胸を張る。前節・岡山戦(3○0)から先発に入っている福田を含め、誰が出ても意思統一して守り切れる大宮の強さが際立った。
90分間を制圧するには至っていない大宮だが、勝利を手繰り寄せる力には磨きがかかっている。勝負の夏、このまま一気に駆け抜けたい。(片村 光博)