スカウティングから奪ったセットプレーの1点
群馬がセットプレーで奪った虎の子の1点を守り抜いた。第17節の前回対戦で栃木に1-5と大敗した群馬は、戦術を練り直すとともに、並々ならぬ闘志を注入して北関東ダービーへ臨んだ。
全体のリズムは決して良くなかった。ゲーム序盤には、中盤で栃木の守備網にハマり、何度もショートカウンターを浴びるなど、危機が訪れた。だが、相手のシュートミスにも助けられてピンチをしのぐと、前半のうちに得点が生まれた。
41分、松下が左CKからニアへ送り込んだボールを、野崎が巧みなヘッドで合わせてゴールネットを揺らす。戦前に群馬はコーチ陣が栃木のゾーンディフェンスを徹底的に分析。ニアに立つハン・ヒフンとGK桜井の間にわずかなギャップができることを映像からあぶり出した。そして、松下がそのわずかなスペースへ正確にボールを配給する。ファーサイドから素知らぬふりでニアへと入り込んだ野崎が頭で確実に流し込んで先制に成功。キッカーの松下は、「相手のゾーンディフェンスを見て、蹴る場所と入る場所を決めていた。スカウティングが生んだプレー」と得点シーンを振り返った。
群馬は後半も守備の集中が切れなかった。反撃に出る栃木をチーム全体で囲い込んでパスコースを限定。そして、途中出場の阪野、松村の動きを青木、有薗の両CBが的確に封じ込んだ。「栃木がストロングポイントをより前面に出してきてくれたので、逆に対応することができた。ボールを握られたが、ストレスなく戦えた」(服部監督)。内容は芳しくなかったものの、8試合ぶりの完封勝利。そのしぶとい戦いぶりは、群馬の成長を如実に示していた。(藺藤 心)