固く守り、効率良く点を奪う。お互い同じような狙いのサッカーだっただけに、「テクニカルな側面では良い試合ではなかった。球際の戦いが多くなった」と、FC東京のマッシモ・フィッカデンティ監督もピッチ上で繰り広げられた肉弾戦をこう振り返った。
守備時には3枚のDFと5枚のMFがブロックを作りながらボールサイドにも激しく寄せてくる山形。対するFC東京は、前線の前田のポストプレーと石川のスピードをシンプルに生かそうと、縦に速い攻撃を繰り返した。自ずと両チームの選手とも体をぶつけ合い、長い距離を走るシーンの連続になる。連戦による疲労感が残る中で、特にFC東京は梶山と太田が負傷交代、さらに高橋も顔面を強打しもうろうとしたままプレーを続けるといった、悪条件も重なってしまった。死力を尽くした末のスコアレスドロー。ただ、選手層と個の力で上回るFC東京にとっては、工夫が足りなかった試合でもあった。ベテランの羽生は語る。「守備を固める相手に縦、縦と行くのではなく、横パスで揺さぶることも必要だった。それでチームの心拍数を下げて、落ち着いて攻められれば良かった」。
夏場の酷暑の戦い。監督の狙いだけでなく、そうした選手個人の判断も勝敗を左右していくだろう。(西川 結城)