■川崎フロンターレ
横に逃げるのではなくまずは“縦”。それが風間フロンターレ
今回も、万全な状態ではない。先週の金曜日(17日)にふくらはぎを痛めて離脱を強いられた小林は今週も別メニューの調整となり、清水戦も回避する見込み。しかし、「いるメンバーで一番良い形を出せば、前節の柏戦(0●1)の後半みたいにやれる」と中村が語るように、敗れはしたものの、圧倒的に押し込む展開だった前節の後半はチームにとってプラスの材料だった。レナト、小林の穴を大きく感じさせることなく、「あとは決めるか決めないか」(風間監督)の展開に持ち込めたことは前向きに捉えて良いだろう。
ただ、その中でも修正点、課題点はある。それは一言で言えば“前への意識”である。「レイソル戦の前半みたいなビルドアップだと、どことやっても崩れない。前の引き出しも方もあるが、後ろが勇気を持ってどれだけ前に来られるか」(中村)。やや難しいと感じてしまうと“縦”に入れられず、“横”を選択してしまう。それによって組み立てに停滞が生じ、前線の選手はフラストレーションを溜めた。この負の連鎖が表れたのが、前節の前半。「レイソルの前半も縦に入れられるけど横に出すという感じで、横でもらった選手がまた横に出すという感じだった。全部前でもダメだが、まず横じゃなくて縦。そこがなくて初めて横が成立する。そこをはき違えたら面白くない」と中村。歯車がうまく回らず、リズムがつかめない中で失点し、その1点が結果的に敗戦につながるという苦過ぎる経験をしただけに、同じ過ちは繰り返すわけにはいかない。
水曜日(22日)の練習ではチーム全体でボールを前に入れ、かつ人も顔を出すことで攻撃に厚み加えることを徹底。監督も選手たちも手ごたえを得ていたが、あとはこれを試合で発揮するのみ。「こういう言い方はあれだが、下位にいるチームだし、自分たちが勝たなければいけない試合」と田坂。悲願のタイトルを獲る上で下位からの取りこぼしは致命的。クラブの歴史を塗り替えるためにも、落としてはいけない一戦だ。(竹中 玲央奈)
■清水エスパルス
相性の良い川崎F相手に2ndステージ初勝利を挙げられるか
前節、再び年間順位で最下位に転落してしまった清水。ただ今節対戦する川崎Fにはリーグ戦で2連勝中。昨季のJ1第31節では、先制されても追い付き、再び突き放されても追い付き、試合終了間際には村田が一瞬のスピードで抜け出し、逆転勝利を収めた。残留争いをしていた清水にとっては計り知れない大きな1勝となった。さらに前回対戦のJ1・1st第14節では清水がウタカ、石毛の2得点などで5ゴールを挙げて5-2で快勝。清水は1stステージで3勝しか挙げられなかったが、そのうちの一つが川崎F戦だった。このように近年、川崎Fには相性が良い。
ただ、課題を抱えているのも事実。前節は一人少なくなった名古屋を相手に2度のリードを守ることができず2-2で引き分けた。それは今季、清水が苦しんでいる要因でもある。思い出すのは1st第8節・山形戦で、3点をリードしながら85分から山形の怒涛の攻撃を受けて3-3の引き分けに終わった。試合の終わらせ方、耐え切れない守備の脆さはもちろんだが、トドメを刺す場面でトドメを刺せず、相手にチャンスを与えてしまっているという見方もできる。名古屋戦も、山形戦も相手にトドメを刺せる場面がありながら、チャンスを逃し続け、反撃の機会を許してしまった。そうした試合を繰り返していては降格圏から脱出することは難しい。
そこで期待されるのが村田。けがで離脱し、1stステージ後半戦は出場がなかったが、2ndステージ開幕戦から復帰。今季序盤は先発にこだわりを見せていたが、いまではチームのため昨季同様スーパーサブとしての役割を自覚している。「昨季のようなゴールを、もう一度決めなければいけない」(村田)と気合いを入れている。チョン・テセというクロスに合わせる選手も加わり、アシストにも期待したい。
この一戦で2ndステージ初勝利を挙げ、価値ある1勝にしたい。(田中 芳樹)