背番号6のゴールが両チームの明暗を分ける
試合後の両監督の言葉から、この試合の展開がうかがえる。勝者の反町監督が「甲府さんにはこういうロースコアでの試合でしか勝てないだろうと想定して準備をしてきた」と述べる一方、敗れた佐久間監督は「残念なのは準備していたセットプレーでやられたこと」と肩を落とす。“佐久間政権”誕生後、リーグ戦5勝3分1敗の甲府。その要因はやはり守備に昨季までの安定感を取り戻していることで、故に試合展開は事前に予測できた。ワンチャンスを生かしたほうが勝つ――。果たして、松本“背番号6”のゴラッソが両者の明暗を分けた。
序盤は地の利を生かして勢いに乗った甲府が攻勢をしかけるが、フィニッシュの精度を欠いてゴールネットを揺らすことができない。お互いにスコアレスのまま迎えた前半終了間際、松本がスローインのチャンスを得る。岩上がロングスローと見せかけて普通のスローインを入れ、再度ボールを受けた岩上が中央へクロスを上げると、ゴール前の混戦から、ボールは左サイドの岩沼の眼前にこぼれた。これをハーフボレーで決め、松本が良い時間帯に先制に成功する。あとは主導権を渡さずにどう時計の針を進めるかだったが、ディフェンスリーダーの飯田は後半45分間をこう振り返る。「先制したことで焦る必要もなくなったし、(岩上)祐三と喜山と(岩間)雄大がこぼれ球を拾ってくれた。今日は良い関係が作れていた」。
66分には足をつったGK村山が交代するというアクシデントにも見舞われたが、「常にいつでも出場するための準備はしてきた」という白井が冷静な仕事ぶりを披露。29.5℃という過酷な環境下で行われた敵地での一戦でも足を止めることなく、自分たちのペースに持ち込んだ松本。苦しい試合だったが、随所にらしさを見せて勝利を飾った。(多岐 太宿)