大黒柱と“神戸キラー”のゴールでイヤな流れを断ち切った三冠王者
たかが1勝、されど1勝──。3試合連続で先制点を守り切れず、勝利を逃しているG大阪にとって、「勝利が一番の薬」(長谷川監督)だったのは間違いない。退場者を出した神戸を辛うじて振り切った三冠王者が執念で勝利をつかみ取った。
直近の3試合で守備の甘さを露呈してきたチームだけに指揮官が神戸戦でテコ入れを図ったのが相手ボランチへのケア。遠藤を中盤の頂点に配置し、相手ボールの出どころを消しに掛かったG大阪だが、その布陣が攻撃でも奏効する。「前目なので点にも絡むことを意識した」と12分にはトップ下の遠藤が右足を振り抜き、ミドルシュートを叩き込む。2試合連続で、中2日のインターバルとなるG大阪にとって、チーム全体を勇気付けた大黒柱の一撃だった。
そして、G大阪にさらなる追い風が吹く。24分には相馬が足の裏を見せてのファウルで一発退場。数的不利の神戸は[4-4-1]にシフトチェンジし、カウンターとセットプレーに攻め手を見いだすしかない苦しい状況となった。しかし苦境にも慌てないネルシーニョ采配も見事で、前半のロスタイムにはCKから増川の同点弾が決まった。
数的不利の相手にさえ、リードを守り切れないのか──。ここ3試合の悪い流れを象徴するような失点を喫した三冠王者だったが、「相手が少なかったし、そこまでイヤな感じでもなかった」と東口。57分に攻守で低調だったリンスを見切り、パトリックを投入。さらに初の日本代表入りに燃える倉田を60分に送り出したものの、神戸も大きな破綻をきたさない。
そんな粘る神戸にトドメを刺したのはやはり“神戸キラー”の宇佐美だった。1stステージでの対戦では無得点に終わり、9試合目の対戦で初めてゴールを奪えなかったが、77分に遠藤の落としを華麗に蹴り込んだ。
1点差で逃げ切るべく85分には明神を投入。後半ロスタイムの石津のシュートに冷や汗をかいたが、G大阪が負の流れにピリオドを打つ勝利を手にした。(下薗 昌記)