大榎采配ズバリ。ハーフタイムで状況を打開し、ウタカ抜きで勝ち切る
いつものジャージではなく、ワイシャツ姿で試合を振り返る大榎監督は堂々としているように見えた。前節・川崎F(2●3)に敗れてから中3日。短期間で4バックに戻したこと、また大胆な選手交代など、監督の決断の数々がうまくハマった。監督会見の雰囲気は、服装が醸し出すものだけではなかったのだろう。「3バックのサイドを使われてしまう」(大榎監督)という欠点から4バックに変更した清水守備陣は、序盤から不用意なスペースを与えず、よって横浜FMは縦に蹴るだけしかなくなっていた。しかし、そこはパスの出し手、受け手がそろう横浜FM。23分、齋藤が裏に抜け出したところに、藤本が絶妙のパス。追ってきた枝村をワンタッチでかわすと、齋藤はコースを見定めて流し込んだ。
対する清水は、前線にボールがつながらず、一向にかみ合ってこない。ここで、大榎監督は早めに手を打つ。ハーフタイムで主将の本田に代えて村田を投入。攻撃をほぼ右サイドに集中させ、そこからの打開を図った。すると、54分、村田のクロスをミッチェル・デュークが折り返し、ゴール正面で待っていた大前が頭で押し込み同点。さらに77分には、杉山力のパントキックを右サイドで受けたチョン・テセが早めにゴール前に上げると、大前が中澤との身長差20cmをモノともしない絶妙なタイミングで競り勝ち逆転に成功した。その後、守っては右SBに平岡を投入し、ヤコヴィッチ、カルフィン・ヨン・ア・ピンというフィジカル系CBを並べリードを保った。
けがのピーター・ウタカに無理をさせずとも攻撃が機能し、さらに守備の改善が進んだ清水は2ndステージ初勝利、そして今季初めての逆転勝ち。次は今季リーグ初の連勝を目指す。(田中 芳樹)