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[日本代表]MF 17 米本拓司(FC東京)|東アジアカップ連覇へ挑む“Jリーグ選抜”。目覚めろ、国内で眠る才能

2015/7/31 12:30



求められるのは“激しさ”


 体感温度は30℃以上、湿度も70%。そんな悪条件の中でも、米本拓司は最後まで左右、上下動し続けた。

 2nd第5節。FC東京はホームで仙台に3-1と快勝した。米本にとっては東アジア杯前の最後のリーグ戦。その試合環境は、まさに高温多湿と言われる中国・武漢での戦いを想定できるものだった。

 この日はダブルボランチの一角に入った。相方は若手の野澤英之。ボールさばきとパスセンスに長けたMFで、米本とは違うタイプだ。お互いがお互いの位置を常に見ながら、前に、後ろにと位置を取る。基本は米本が広範囲に相手の球際に顔を出し、野澤はバランスを取る。この分業制が、かなり機能的に映った。

 米本は、器用な選手ではない。本人には失礼だが、お世辞にもテクニカルなプレーが得意だとは言えない。ダブルボランチだと片方の選手が積極的に前に出ることもでき、実際に彼も果敢に相手ディフェンスライン付近に飛び出して行く。そこからチャンスが生まれることもあるが、ラストパスやシュートが成功する確率が高いタイプとは、これまたお世辞にも言い難い。

 ただ、やはり球際への強さと執着心には目を見張るものがある。粘り腰で相手との競り合いに勝ち、ボールを絡め取る。また、一度スライディングやタックルをかわされても、二度、三度と俊敏にボールに追い迫る。この仙台戦でも野澤との分業制になったことで、ことさらその守備面での特長が際立った。

 相手に狙いを定めてプレーすれば、その強度と威力はJ屈指。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は、現状[4-2-3-1]のシステムを採用し、中盤は二人のボランチを配する。つまり、相方との組み合わせによっては、米本が代表でもハイパフォーマンスを見せる可能性は十分にある。

 指揮官はこんな要求をしている。「中国では対戦国からより激しいコンタクトを受ける。そこで米本には守備でクオリティーを出してほしい」。そんなリクエストに対して、こう語った。「外国の選手と戦うと燃える。自分の特長はハッキリしている。それを素直に、前面に出して、勝利に貢献したい」。

 綺麗、丁寧なプレーを好む日本人の中では異質。それでもアジアの激戦で米本が泥臭く振る舞うことができれば、それは本格的な台頭を意味する。(西川 結城)

EG 番記者取材速報

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