体力の消耗を考えない拙いゲームマネジメント
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の狙いをそのまま再現するゴールだった。セカンドボールを拾った山口蛍がワンタッチで前方の川又堅碁につけると、カットされたところに永井謙佑がプレッシャーを掛けミスパスを誘う。そのミスパスを谷口彰悟はダイレクトで右サイドの遠藤航に展開。遠藤の速いクロスにニアで合わせたのはトップ下に入った武藤雄樹。鮮やかな先制点で波に乗る日本は、その後もワンタッチとツータッチを駆使した速い攻撃で北朝鮮のディフェンスを翻ろうした。24分には森重真人、武藤とつなぎ川又がGKと1対1の場面を作った。しかし、シュートはGKリ・ミョングクに止められ追加点のチャンスを逃した。30分過ぎには悪いボールの奪われ方から北朝鮮の波状攻撃を受けたが、それでも日本はボールを落ち着かせることなく、どんどん自分たちが目指す速攻を繰り返した。35℃を超える暑さ、Jリーグの過密日程から初戦を迎えたことを考えれば、いくら方向付けの時期だと言っても、こうした消耗する展開は避けたかった。
追加点を奪いたい日本は55分に宇佐美貴史を下げ、柴崎岳を投入。その柴崎を起点に何度か惜しいチャンスを作ったが、北朝鮮は大型FWパク・ヒョンイルを入れてロングボールを増やすと日本は全体的に間延びしてしまった。すると78分、DFシム・ヒョンジンが放り込んだボールを森重がパク・ヒョンイルに競り負け、リ・ヒョクチョルに飛び込まれて同点。さらに88分には左からの高いクロスをパク・ヒョンイルが槙野智章を押さえ込みながら頭を決め逆転。期待のCBコンビが対人の部分でやられたショックもあるが、チームとして90分間のコントロールが不足していたと言わざるを得ない初戦となった。(河治 良幸)