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EAFF E-1サッカー選手権
8/9(日) 21:10 @ 武漢

中国
1
1 前半 1
0 後半 0
試合終了
1
日本

Report マッチレポート

武藤雄樹の同点弾も実らず、中国戦も1−1のドロー。東アジアカップ最下位に沈んだ日本

2015/8/9 23:18

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任後、初の国際大会となった2015年東アジアカップ(武漢)も9日が最終日。ここまで1分1敗と予想外の苦戦にあえいでいる日本は最下位脱出をかけてホスト国・中国に挑んだ。

 この日の武漢は台風の接近でこれまでにない強風が吹き荒れた。キックオフ時の20時10分の気温は30度を下回ったが、試合前にはスコールのような雨が降るなど気象条件は依然として厳しい。この荒れた天候を味方につけることも重要なテーマだった。

 前日にさらなる新戦力テストを示唆していた指揮官は案の定、ここまで起用していないメンバー3人を新たに抜擢した。その顔触れは東口順昭、丹羽大輝、米倉恒貴のガンバ大阪勢。彼らは11日にスルガ銀行カップ・リバープレート(アルゼンチン)戦を控えているが、ハリルホジッチ監督はその日程を考慮することなく、宇佐美貴史を含めた4人をスタメンで送り出した。この日の日本の布陣は4−2−3−1。GK東口、DF(右から)丹羽、森重真人(FC東京)、槙野智章(浦和)、米倉、ボランチ・山口蛍(C大阪)、遠藤航(湘南)、右FW永井謙佑(名古屋)、左FW宇佐美、トップ下・武藤雄樹(浦和)、1トップに川又堅碁(名古屋)という並びだ。米倉が右ではなく左でどのようなプレーをするのか、そして遠藤航がU−22日本代表で担っているボランチで機能できるかが大きな注目点だった。

 対する中国は4−3−3。やはり警戒すべきなのは、ユ・ダバオ(大連)、ガオ・リン(広州恒大)、ウー・レイ(上海東亜)の強力3トップ。ポジションを柔軟に入れ替えながらタテへタテへと向かってくる彼らを封じることが日本の生命線だった。

 中国サポーターが数多く武漢スポーツセンターに詰めかけ、アウェームード一色の中、迎えたこの試合。立ち上がりの日本はこれまで以上に中盤が落ち着き、パス回しのリズムもよく、立て続けに右CKを何本も取るなど悪くないスタートを見せた。5分には右CKのクリアボールを拾った宇佐美のシュートがクロスバーを直撃。得点の匂いが感じられる。しかし中盤でセカンドボールを拾いきれず、そこからカウンターを食らうようになり、一瞬のスキを突かれて失点してしまう。

 前半10分の中国の右からのスローイン。ペナルティエリア内でタメを作ったガオ・リンからウー・シー(江蘇瞬天)が落としたところに飛び込んだのがウー・レイ。警戒していた男の一撃が日本のゴールネットを揺らし、中国が早くも先制。スタジアムの盛り上がりは最高潮に達した。

 2試合連続ビハインドを背負った日本だが、この日は落ち着いて巻き返しを図った。その火付け役となったのが米倉。彼のスピードある攻め上がりから日本は何度も左サイドを攻略する。15分には武藤のスルーパスを受けて彼自身がシュート。これは枠を超えていったが、彼の動きは初キャップと思えないほど生き生きとしていた。

 守備陣も慎重に試合を運んでいたが、27分に絶体絶命のピンチに直面する。相手のタテパスを森重と槙野が見合ってしまい、ウー・レイに中央を抜け出され、ゴール前に突進されてしまったのだ。これをつぶしたのも俊足の米倉。東口のカバーもよかったが、彼らの機転の利いた動きに日本は救われた。

 その後、日本は再び攻めの勢いを増していき、前半41分についに同点弾を叩き込む。槙野のタテパスに抜け出した米倉が絶妙のタイミングで中央へクロスを入れた。ここに走りこんだのが武藤。このパターンをお手の物とするワンタッチスコアラーが相手DFを置き去りにしてゴール。最高の形から日本は試合を振り出しに戻すことに成功した。

 結局、前半は1−1で終了。相手のカウンターに苦しむ時間帯は確かにあったが、ここまでの内容は今大会で最もよかった。初めてコンビを組んだ遠藤と山口のボランチも武藤といい距離感で三角形を作りながらプレー。彼らのコンビネーションには可能性が感じられた。

 この流れで逆転勝利に持ち込みたかった日本。後半も同じメンバーでスタートした。日本のいいリズムは続き、立ち上がりから一方的にボールを支配。これまでにないど自分たちのパス回しを生かしながら攻めを組み立てた。開始3分には右サイド深い位置までえぐった永井のマイナスクロスに山口が飛び込んでミドルを狙い、6分には米倉が思い切ったドリブルシュートを放つ。米倉は10分に相手のカウンターを体ごとぶつかって止めに行くなど、本当にできる限りの力を使って戦っていた。

 こうした新戦力のトライに報いたいハリルホジッチ監督は15分を過ぎたところで川又を下げて興梠慎三(浦和)を投入。前線に活力を与える。中国もユ・ダバオに代えてヤン・シュ(山東魯能)を送り込み、勝負を決める1点を取りに来た。

 日本にとって追加点の最大のチャンスだったのが、後半25分の高い位置でのボールカットの場面。右サイドで永井が相手を追い込み、山口が奪ったボールに反応した武藤がGKと1対1になるが、惜しくもこのシュートを防がれてしまう。本人も思い切り悔しがっていたが、これを決めていたらと悔やまれる決定機だった。

 そこから両者とも総力戦の様相を呈し、中国はベテランのチョン・チ(広州広大)らを投入。日本も柴崎岳(鹿島)と浅野拓磨(広島)というカードを切って最後まで貪欲に勝ちを狙いに行く。中国はカウンター、日本はポゼッションからチャンスを伺うが、どちらも最後のところでは決めきれない。

 試合はそのままロスタイムに突入。日本はラストの時間帯にFKを得たが、柴崎の蹴ったボールをニアサイドで反応した遠藤航のヘッドは残念ながら枠の上。結局、もうゴールネットを揺らせないままタイムアップの瞬間を迎え、試合は1−1で終了。日本は最下位という不名誉な現実を余儀なくされた。

 日本は明らかに3戦目が一番いい戦いを披露。ガンバ勢はそれぞれに持ち味を見せ、山口も中盤のダイナモとしてピッチ上を縦横無尽に駆け回った。だからこそ攻撃陣にもうひと押しがないのが悔やまれた。今大会2点を挙げた武藤は健闘が光ったが、無得点に終わった宇佐美、永井、川又らはインターナショナルレベルでいかにゴールを奪うかを突き詰めていく必要があるだろう。ここからどうチームをテコ入れしていくか。日本サッカー界は本気で奮起する必要がある。(元川 悦子)

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